日本茶インストラクター Nishikien owner's weblog 


日本茶インストラクターの店主によるお茶や茶器などにまつわる事柄。

【東京】銀座三越にて催事開催のお知らせ

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今週、水曜日(7/26)より、2年振りの銀座にての催事となります。皆さまどうぞよろしくお願い致します。
 
今回は磯部さんの急須とシングルオリジンの日本茶を中心に展開です。1980年代に作られた穴窯焼成の急須もご用意しました。もう二度と作る事が叶わない品ですので、この機会に是非、ご覧ください。

【東京】銀座三越 
<場所>
銀座三越本館7階リミックススタイル
<期間>
2017年7月26日(水)~7月31日(月)
※試飲販売は19:00まで

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シングルオリジンの日本茶をただの産直にしてはいけない。

シングルオリジン話題です。コーヒーなどと比べて、良品の生産のロットが少ない事もお茶の難しさのひとつです。
 
一例ですが、高品質を目指して自然仕立て園として手摘みを行った場合、優秀なお茶摘みさんで1日1人当たり約10㎏の摘採。10人で100㎏/日の生葉が摘み採られて、製茶工場での荒茶製造を経て、仕上げ茶となるのが概ね約19~18㎏強。お茶摘みさん1人当たりのコストは約1万円。
 
日本の製茶機械はバッチ式なので、一度に投入する生葉の量で製茶機械のサイズが決まっています。
稼働しているサイズで目にするのは、35K、60K、90K、120K、240K(数字は生葉量の目安。形状のある良品の場合、60Kに対して50㎏の生葉投入)機械のサイズの大小は関係なく、荒茶の出来上がるまでの時間は約6時間です。
 
1バッチ内の生葉の品質が揃っている事が、良茶製造の原則なので、小型機械の方が揃えやすくなります。
  
シングルオリジンが商品としてイメージされるのは、単園(一ヵ所だけの園地)で、高品質とするのなら1日の生産量はどう頑張っても40㎏程度です。※20人以上のお茶摘みさんを導入して60Kの製茶機械で4回の製茶を行ったと想定した場合。
 
品質やイメージを踏まえてシングルオリジンの製品とした場合、年間で1アイテムが10㎏~100㎏程度の小ロットなってしまうのが日本茶です。
 
これでは商売にならないとすれば、「どこどこ茶工場のお茶」「何々茶園のお茶」となっていくのでしょう。ただ、それでは産直となんら変わる事はありません。ただ呼び名が変わっただけになります。
 
園地のロケーションがはっきりとしていて、生産者、摘採方法、品種、生産量などが明らかにされ、仕上げ茶になっていてこそ「シングルオリジンの日本茶」として紹介出来る製品になり、それこそがお客さまが望む品です。

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シングルオリジンをただの産直とすることなかれ

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近年目にする「シングルオリジン」といった単語。耳触りも良いいい言葉で、単園モノや単品のお茶などと表現していた事に懐かしさを覚えます。この様なカテゴリーの茶を扱うキャリアで言えば私は古株となるのでしょう。
 
さて、シングルオリジンのお茶は良茶なのか?と言われれば、良い茶もあるし、ダメな茶もある。正直、出来の良く無い、不安定な茶の方が多いがその答えです。
 
ワインに詳しい人であれば、全てのドメーヌのワインが必ずしも上質ではなく、ネゴシアンが関係したワインの方が質の良いモノがあるでしょうと言えばわかりやすいかも知れません。
 
また、どの様に摘採精度の高い荒茶であってもその製造現場に立ち会った者であれば、それは商品にはならない「原料茶」であると気がつきます。手摘みであってもそうなのですから、ハサミ(手摘み以外の摘採)ならば更にです。
 
シングルオリジンの茶がその言葉からイメージされる品質となり得るのは良質な荒茶を、仕上げの技術に優れた者が内容を判断し仕上げをしてこそです。
 
仕上げは荒茶を作るのとは別の道具と技術が必要です。生産者と買い手が共に茶の知識と技術を有した時にしか、本当の意味での品質を有したシングルオリジンの日本茶は存在しません。
 
シングルオリジンをただの産直としてしまうのか、これまでの歴史では流通しにくかった価値を有す特別な茶とするのかは取り組む者と購入する者に掛かっています。
 
いい言葉です。それを便利な売り言葉とする事無く、個性豊かな良茶を現す言葉として根付いていくことを願う次第です。

品種は大事ですが、それだけでは美味しいお茶や個性も含めた特徴のあるお茶にはなりません。

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過日、時折セミナーなどで品種茶を数点セレクトしてご用意させていただく方よりお話しを伺う事がありました。

「石部さんが用意してくださる品種茶はそれぞれの個性も感じられて、美味しいし楽しいです。特に蒼風は好きなお茶です。半ばこれが当たり前と思っていましたが、別のところから手元に来た蒼風は蒼風らしさが無く、美味しくもありませんでした。」

「ありがとうございます。その蒼風を拝見していないので何とも言えませんが、特に今年は早生のお茶は製造に苦労した年ですから、品質の差が大きくなっているかも知れませんね。蒼風は生産量も少なく、分母が小さなお茶です。これは品種茶全般に言える事ですが、生産量が僅かで生産者が片寄っている様なお茶は品質の差が大きいものです。特に山峡などは茶業者を含めて、製造上の欠点を品種の味と勘違いしている方も多いですよ。」

「そうなんですか。蒼風だから美味しいのでは無いのだと実感した出来事でした。」

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「やぶきたも同じですね。やぶきたは温和で香味のバランスに優れた非常に優良な品種ですが、美味しく無いお茶を作ってしまう生産者は大勢います。そして、美味しいお茶を作る生産者も。これは産地も含めた生産量の大きさ故に選択の幅が広いという事です。お茶の美味しい、美味しく無いとする多くの場合はやぶきたをベースにしたものですね。」

「ありがとうございます。確かにそう思います。」

「品種は大事ですが、それだけで美味しいお茶や個性も含めた特徴あるお茶にはなりません。栽培、製茶、仕上げ、そしていれる方も含めてそれぞれの場で機能をしてこそ出来るのですよ。」

「品種のお茶をご用意くださるのはご苦労も多いのですね。ありがとうございます。」

「いえ、仕事ですから。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」

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2017年名古屋催事 至福のお茶時間 ~常滑急須作家展と限定生産静岡茶特別試飲販売会~

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2017年 名古屋催事のご案内です。

今回はこれまでの展開に加えて、新人作家の方々にもご参加をいただく内容となります。常滑急須と限定生産の静岡茶をゆっくりお楽しみいただける一週間です。是非、お立ち寄りください。

<タイトル>
至福のお茶時間
~常滑急須作家展と限定生産静岡茶特別試飲販売会~

会期:2017年6月14日(水)~6月20日(火)
場所:名古屋三越栄店6階スタイルコート
搬入日:2017年6月13日(火)

<ご協力頂きます作家の方々>
磯部輝之さん
甚秋 伊藤成二さん
千葉光広さん
伊藤雅風さん
丹下悦子さん
八木信樹さん

<ご用意する限定生産静岡茶>
築地東頭
築地蒼風
築地山峡
築地香駿
玉川横沢 大棟
安倍の百年茶2017
玉川横沢安倍本山茶
新茶玄米茶
日本平蒼風
鈴木香駿
宮沢香駿
宮沢おくひかり
八十八夜の茶
選り抜きほうじ茶
※ご用意出来た数量が僅かなお茶もございますので、売り切れの際はご容赦ください。

日本茶を世界に TOP OF THE EAST. JAPAN TEA IS A WORLD TREASURE.

日本茶を世界に

TOP OF THE EAST.
Japan Tea is a world treasure.

プロモーション動画です。
撮影編集:KENTARO ISHIBE

日本茶とは何か?

日本茶とは何か?

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茶業者となり、国産の烏龍茶製法や紅茶などに関わったのは二十一世紀になったばかりの頃だった。日本国内で作れば製法の如何を問わず日本茶だと考えた事もあった。これは結局、自らの商品を売る為の理由づけに過ぎなかった。

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日本茶とは何か。現時点での答えにやっとたどり着いたのはつい最近の事だった。

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様々な茶種から集約され、伝統に革新を重ねて今に至る。
ここにしか無く、他の国が真似ようともたどり着けない頂に座する茶。
その様な茶こそが、日本茶の名を冠するに相応しい。

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日本橋三越本店本館5階和食器催事「至福のお茶時間」

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日本橋三越本店本館5階和食器催事「至福のお茶時間」3月15日より2週間の会期を無事に終了しました。
お客さまをはじめ、取り組み先、関係者の皆さまに支えられての仕事です。本当にありがとうございます。

おかげさまで、秋口に再び日本橋に伺う事が出来そうです。詳細が決まりましたらご案内させていただきます。
重ね重ね、本当にありがとうございます。
これからも何卒よろしくお願いいたします。

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産地にいる事の最大の利点とは。

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産地にいる事の最大の利点は何かと問われたら、生産の現場に近いという事に尽きます。
街にいて園地の様子を見に行かないのであれば、産地にいる意味は半分も無いでしょう。

茶栽培や製造は生産者の仕事だからとの言葉を発する業者もいます。確かにその通りですが、川下にいる者は川上で何が起きているのか、行われているのかを知る事が必要です。屋根の下で、自分の鼻や舌の良し悪しを自慢しても農産物であり、工芸作物である茶に対しての理解は深まりません。

一年を通じて茶園を見る事、それは生産者に限らず茶業に関わる者にとって必要な事なのです。

2017年福岡催事がいよいよ開催です。

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2017年福岡催事がいよいよ開催です。
200点以上の常滑焼急須と限定生産の日本茶が登場します。皆さまどうぞよろしくお願い致します。

~至福のお茶時間~
常滑焼の新作茶器「平型急須」ほか多彩な急須と桜を想わせる香りのお茶「さくらかおり」など限定生産の日本茶をご用意致します。

【福岡】岩田屋本店
会期:2017年2月8日(水)~2月21日(火)
場所:岩田屋本店新館 6階 和食器

試飲販売は各日午前11:00~18:30まで。

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日本茶とは何か?在来と品種

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在来園(実生-茶の種子を植えた茶園)の様子。チャは自家不和合(自家不結実性 自家受粉では実を作らない)なので、一株、一株が異なる性質を持ち、茶園は色とりどりで芽の大きさも不揃いになります。
 
新茶シーズンにテレビや写真などで見かける一面が一色に染まり、新芽が整って生えているのは、挿し木(クローン)によって極めて近い性質のチャが植えられている茶園だからです。
 
私達が最も多く見る茶園は品種茶「やぶきた」の茶園であり、在来から品種茶園への急激な変化は、「やぶきた」が植えられるようになってからです。

昭和29年(1954年)の品種化率(茶園に対しての在来と品種茶の割合)は3.4%です。昭和54年(1979年)時点で茶園の品種化率は55.3%でほぼ半分が品種茶園となりましたが、品種茶の中で「やぶきた」の割合は82.1%です。
 
品種茶と言えば「やぶきた」であった事、そして、製品としての「茶」は品種化がされる以前は「在来」が基本でした。
 
年号をご覧になればわかる通り、品種茶が一般化するのは最近の出来事なのです。

2017年上半期 東京・名古屋・福岡 百貨店催事のご案内

2017年上半期 東京・名古屋・福岡 百貨店催事のご案内となります。
皆さま何卒よろしくお願い致します。

【福岡】岩田屋本店
期間:2017年2月8日(水)~2月21日(火)
場所:岩田屋本店新館 6階 和食器

【東京】日本橋三越本店
期間:2017年3月15日(水)~3月28日(火)
場所:日本橋三越本店本館5階和食器

【愛知】名古屋三越栄店
期間:2017年6月14日(水)~6月20日(火)
場所:名古屋三越栄店6階スタイルコート

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年のはじめに。

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年のはじめに。

現在の製茶では美しく作ろうとするのと、よい仕事をした結果として美しくなるのでは、全く別であることが忘れられています。これはお茶の水色についても同じことが言えるでしょう。

お茶に限らず、完成品からの見た目の分かりやすいものはその形や色(香味も含む)に似せることはある意味で容易です。方法としてはいくらでも別のアプローチが考えられ、それは今に始まったことでもありません。

「この様なモノにするのなら、こうすればいいのでは。」この言葉は、ほとんどの場合、元になった品が出来た仕事より、さらに手をかけて大変な作業をしようとする時には出て来ないでしょう。

プラスチックで出来た漆器のまがい物、素材の安さを調味料で誤魔化す料理、白と赤を混ぜてこれでロゼとするワイン、着香表記の無いミント入りの紅茶などなど。作り手の便利と買う側の安いモノを欲する心が生む製品は沢山あります。

海外のワインを見れば認証だらけ、ルールだらけです。翻ってみれば規格をちゃんと決めてそれに沿わなければ守られないからというコトが背景にもあるのでしょう。

日本という国に暮らす人は世界的に見て勤勉で真面目な国民性であるように思います。モノづくりにおいても言葉やルールにせず、規格をつくることが苦手なのかも知れません。それ故に好き勝手なこともまかり通りやすい。

お茶の世界には野放図に適当な考え方や自分に都合のいい言葉が溢れかえっています。まさに滅茶苦茶と言ってもいいほどです。それぞれの立場を慮っての部分から来ることも有るようには思えますが、その根は都合のいい部分を見抜く事をしなかったからです。まがい物が存在するのは、作る者、売る者、買う者の皆の責任です。

その状況にモノ売りである私の立場から出来る事、一石を投じる事は何かとなれば、世の中に目利きを増やすお手伝いをする事です。
時代と共に変わる事、変えなくてはいけない事、変えてはいけない事があります。

蒸し製緑茶と急須はとてもシンプルですのでその題材としてぴったりです。
商いをする中で皆さんと共に学び、楽しく過ごす事を目標とします。何卒よしなに。

錦園 石部健太朗

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作り手も、私たちも、お客さまと一緒に幸せになるように仕事をしています。

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ブレケル・オスカルさんが出演なさったNHK サキどり「日本茶を世界へ!外国人の伝道師」。拝見致しました。

エンディングで何の説明もなく、謎の人物と一緒に茶園へ赴くオスカルさん。
 
番組テーマにそった構成として私と一緒のシーンは使いづらい筈であり、その中でディレクターさんがそれでもとまとめてくださったとのだと思います。ご苦労なさられたのではと恐縮しています。
 
因みに放送の中で「これが来年の新芽になるんだよ」と話しをしているシーンです。
 
オスカルさんも私も”お茶を作る者”ではありません。生産者や製茶問屋の家に生まれずに”作る者”となっている人は極僅かであり、立場はある意味で似ています。品物についてを学び、知り、伝える価値、売る価値があるのかを目効きする立ち位置です。
 
”作る者”は自らが作った品を評価出来ません。評価とは別の誰かがするものであり、価値づけは作り手の仕事ではないのです。
 
伝える側が伝えずにはいられないような製品を作ること。技術をもって、製品として形に、結果にする。それが”作り手”の仕事です。
 
ロクなモノも作らずに安いや売れない、売って来てくれなどというのは怠慢以外の何ものでもないのです。

お茶のようなシンプルなモノは見ればわかります。作り手がどんな意志でそれを作ったのかがです。お茶とはそういうモノなのです。
 
私たちは詐欺師ではありません。作り手も、私たちも、お客さまと一緒に幸せになるように仕事をしています。
 
頂戴したメールの末文
 
オスカルさんから日本茶の魅力を教えてもらい、ここ数日、日本茶にどっぷりはまっております。日本茶が生みだす世界観、本当に素晴らしいです。
 
まさに金言と思う次第です。

NHK 「サキどり「日本茶を世界へ!外国人の伝道師」

ブレケル オスカルさんが出演なさるNHKの情報番組サキどりのご案内です。

長期間に渡る密着型の取材が重ねられ、私も一部でご協力をさせていただきました。取材スタッフの皆さんはとても熱心で方々で、オスカルさんの人柄に感心なさっていました。
真摯に日本茶の事を学び伝えようとするオスカルさんの姿を多くの方が知ることとなりますように。皆さまどうぞよろしくお願い致します。
※画像はNHKの番組ホームページより。

放送は12月18日NHK総合午前8:25~8:57

NHK 「サキどり「日本茶を世界へ!外国人の伝道師」

サキドリ

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人生をかけて楽しめるのがお茶だよ。それだけは間違いない。

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チャンスがあるなら一番良いものを見た方がいい。取材であるかどうかを私は気にしない。いつものようにする。それでいいだろう。
ならあの山の茶園へ行こう。そこでお茶を飲もう。君が初めて見た年よりも今年の園は素晴らしい。そういえば、あの園地のお茶の木達はきっと君と同い年くらいの筈だよ。

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今はお茶の知識や経験は私に届かないけれど、必ず私以上のことが分かるようになり出来るようになる。

ちゃんと学び、そして、分からない事が苦しくとも、分からないまま諦めずに重ね、今ある部品で仮説を組み上げてみる。そして信頼出来ると思えた人にその仮説を尋ねてみることだよ。尋ねられた者なりの知識で仮説を考えてくれるだろう。それはお互いのためでもあるんだ。重ねた何かが間違っていたら、固執せずにそれを崩す事を恐れないこと。それを繰り返すんだ。何故だろうの気持ちを常に持って。

君が分からないと思ってる以上に、私の方がきっともっと分からないと感じているよ。お茶とは知れば知る程に、分からない事が増えるものなのだから。
 
私が君に期待しているのは、お茶で君自身が幸せになって欲しいという事しかない。そして、茶を通じて君が君の回りの人、縁がある人を幸せに出来るように。 
そのためには協力するし、知識も渡そう。それが先に生を受けて学んできた者の当然の役割であり、生きるということなんだ。
外国人であるかどうかではなく、人としてお茶のことを知ろうとして一生懸命だから私はそうするんだよ。
かつて、先人が私にしてくれたように。
 
21世紀、日本茶の新しい扉は開いたばかり。お互いに学び、頑張ろう。そして、もっとお茶を楽しもう。
大袈裟かもしれないけれど、人生をかけて楽しめるのがお茶だよ。それだけは間違いない。

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師走、今年は園地まわりと取材協力で始まりました。

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師走、今年は園地まわりと取材協力で始まりました。
紅葉の中で銀色に光る冬の茶園。
 
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お茶を飲んでいる様子もとの事だったので、園地にてお茶をいれました。
標高800mの山の茶園、夕暮れが近づくと流石に寒さを感じますので、熱めにいれます。寒い時は熱さもごちそうです。
いつもより念入りに器を温め、多めの茶葉と熱めのお湯を使いながら、強い苦渋味が出ないようにピンポイントで。
お茶の香りが周囲に満ちる一瞬、止まる時間。
古き自由な北の国から訪れた若者は茶を口にして、日本に来て良かったと笑顔に。
取材の方からの石部さん、このお茶を一言で表現するとしたら何ですか?の問いに私のこたえはいつもと同じ。

これが日本茶です。 

放送は12月18日NHK総合「サキどり」午前8:25~

茶に関わる者に託された仕事

お茶を手軽に飲めるようにと言われますが、軽くキャップをひねるだけでいつでも飲めるようになった「茶」が大きな市場を有し、その目的はほぼ達せられています。
 
手に入れる気になれば24時間いつでも自動販売機やコンビニエンスストアなどでもお茶を買う事が出来る。お湯を沸かす必要もなく、こんなに「茶」が手軽に飲める時代になりました。これ以上手軽になどとなる事はありません。
茶殻を捨てる事も、洗い物も無く、美味しさもそこそこで、茶に対して過大な期待をしていなければ及第点です。無理やりに色や、鮮度を追ったようなリーフよりは何倍も飲みやすいでしょう。
 
そして茶系ドリンクの原料は紛うことなく「茶」です。原料茶として需要と供給が叶う生産体制でのぞめるのであればそれをするのが正しい姿です。換金作物を作る生産者としてそこに貴賎はありません。それどころか、資本が無ければそのような大量生産には向かえない事でしょう。広大な茶園で、高効率化された生産体制で年平均単価500円/kgの継続生産を目指す茶業も立派だと本当に思います。
 
私は資本として少なく、商いとしてその方向は出来ません。資本の少ない商いほど、よりスペシャルで価値が高く、価格もそれに見合った高価格である商いをする必要があります。
より高品質となれば、荒茶などは商品ではなく、製茶問屋の目的を持った仕上げ技術が必須です。山間地で園地面積が少なく、生産量ではなく、品質と高価格を目指す取り組み先は最高のビジネスパートナーです。
 
とは言え、高価格帯の茶といっても知れています。高くてもたかだか10000円/100gです。生産量の少なさと品質を考えればもっと高価格の食品は多数あります。高級腕時計や自動車のように、憧れても買えないような製品ではありません。酒のディスカウントストアに並ぶ洋酒よりも安いのです。
 
ひと世代前の、100g500円や300円でも美味しいなどと言う言葉を発する者は結局、茶の未来を喰いつぶしている人達です。
 
茶業に関わるのであれば、100g2000円、3000円の茶の美味しさを伝え、生産者はそれに見合うような茶づくりをする。茶価を上げると言うのならそれに見合った事をしなければ出来はしません。その価値を有さない製品を不釣り合いに高い値段で売るのはお客さまへの裏切りだからです。
そんな手間で面倒な作り方や売り方をと思うかも知れませんが、それをしない限り、私たちが残したいと思う日本茶の世界は存続されません。
 
日本茶が好きで憧れていた外国の若者が、一杯の茶を飲んで発した言葉は「日本に来てよかった。」でした。
この言葉を常とするように。大袈裟でも何でもなく、21世紀、茶に関わる者に託された仕事です。

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旧マッケンジー邸に展示されている輸出茶見本

旧マッケンジー邸に展示されている輸出茶見本。

この見本に書かれている「チュンミー」「ソウミー」「ガンパウダー」といった外国茶の名前のお茶が、全て日本の国内生産茶であると知った時が蘭字や日本茶の輸出に興味を持ったきっかけでした。因みにこの見本茶で、それらの名称の茶は全て蒸し製の緑茶です。

それまでは、用途など特に意識せず「日本茶が輸出されていた」とする情報だけで、私の思考の大半は留まっていました。でも、何か気持ちの悪いぼんやりとした感覚だけが僅かにあったのを思い出します。

静岡茶共同研究会の活動で、かつての輸出茶に関しての資料が見つかっていく中、明治期は着色茶の色付けの強弱で「パンファイアード(着色強)」「サンドライド(着色弱)」の呼称となっている事を知ったのはつい最近の事です。お茶にある程度、詳しい方ほど衝撃的な事でしょう。

輸出茶や蘭字についての研究や調べ事の中で、見聞きする事で得られる知識は勿論、興味深く重要ですが、それにも増して「思考を停めない事」の大事さを知った次第です。

静かな観光地として訪れる人も少ない旧マッケンジー邸ですが、行かれた際には是非、見本茶もご覧になられる事をオススメします。

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常滑焼急須に託された次の階段

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常滑焼急須は生活雑器として作られた近現代の急須。決して長くはない歴史の中で、常滑だからこその先に生まれた稀有な焼物です。
 
使われる為の道具として作られたのに、使う事が勿体ないとさえ思う気持ちが嬉しさと混じり合いながら湧きあがってきます。
 
本末転倒なのですが図らずもその気持ちが湧きあがること。それはきっと、常滑焼急須に託された次の階段なのでしょう。
 
以前に茶葉を見ても感じた事があります。その美しさや風情から、湯を注す事を躊躇う気持ちになりました。飲む為に作られた物だというのに。
日本茶と常滑焼の急須。対なのだなと素直に思います。

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Author:nishikien

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