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日本茶インストラクター Nishikien owner's weblog 


日本茶インストラクターの店主によるお茶や茶器などにまつわる事柄。

ひな祭りを過ぎ、春3月。丸子 杉山八重穂の園地にて。

3月ですね。花粉の飛散も多くなってきましたが、その話題は次回以降に。
2月4日に撮影した杉山八重穂、3月4日の様子です。

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3月4日撮影

杉山八重穂
2月4日撮影

若芽の緑が活き活きとするスイッチが入ったのがわかります。2008年の同時期より進んだ芽の様子。2008年は4月7日が摘採でしたからその前後、天候に恵まれればもう少し早くなるかもしれません。

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丸子は日本の紅茶発祥の地とされる土地ですが、園地を回っていると先人の努力を感じます。特に「多田元吉翁」翁に連なる「杉山彦三郎翁」が残そうとした多種多様の品種群に驚かされます。
丸子は挿し木用の穂木の栽培を請け負った歴史があり、現在でもその名残で畝にされない自然仕立ての品種園が見られます。その早生品種の筆頭が極早生の「杉山八重穂(すぎやまやえほ)」。芽がひとつではなく、重なって出ることから「ふた芽のやえほ」の別名もある品種。※登録品種の「やえほ」は杉山八重穂の実生選抜で、ふた芽の特性がありません。

さて、最近新聞などで早い新茶商戦に乗ることなく八十八夜後のお茶に重点をおいてなどと、いかにも風上の論理で繰り広げられる理屈を目にします。自県の産業を大事にしようというのはよくわかりますが、鼻がムズムズする話しです。
数十年に渡って、3月下旬から4月上旬に摘採製造できている純静岡市産露地栽培のお茶もあるのです。丸子には数多くの品種群があり、杉山八重穂の後に続いて早生品種の摘採が始まり共同工場の連続生産が始まります。記事でいう八十八夜の1ヶ月近くも前からです。

わざわざ鹿児島などの他県のお茶を仕入れてまで「新茶」「新茶」と騒ぐわけではありません。(ここ十余年、私は鹿児島産の新茶を仕入れたことは1グラムもない。)4月上旬から「静岡産露地物新茶」をご案内し、静岡のそれぞれの土地で生産されるお茶をその時期、その時の違うキャラクターを持ったお茶として販売をしています。
私が仕入れる最も高い新茶は「5月下旬」に摘採製造されますから、早いから高いお茶を仕入れているわけではない。クオリティに見合ったものであれば茶期の早い遅いなどは関係ありはしません。お茶は新茶の時に売るだけではなく、一年を通じ、モノによっては数年をかけて扱わせてもらうものです。
この業界に限らないのだとは思いますが、聞こえてくる事柄はテーブルのこちら側の理屈が見え隠れして残念な気持ちになってきます。

最大産地の静岡には本気で活かそうと思えば、それぞれの茶期の個性のあるお茶が採れます。今は中生と言われるやぶきたも世に出た当初は早生品種として扱われたのです。内容が伴わない感情面だけの茶批評で、先人が残した大切な財産を失うことになってしまいませんようにと祈ります。

それと、「茶価が低迷」の話題、確かにその通りの一面もあります。ただ、その言葉の尻馬に乗って言葉を発する生産者も少なくない。園地の声を聞かず、気候変動に対しての工夫もせずに良茶の生産などありはしません。全てとは言いませんが、「値段相応だ。」と言わざるを得ないものも数多くあるのが実際です。

いよいよ新茶の足音が聞こえてきます。お客様の期待に応え、良茶の生産に努力してくれることを願ってやみません。生産者にしか出来ない事があります。その事に真摯に向き合ってほしいのです。それが、産地を支える大きな力になるのですから。

日本茶専門店 錦園 石部商店
錦園店主 石部健太朗
日本茶インストラクター(02-0362)

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