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日本茶インストラクター Nishikien owner's weblog 


日本茶インストラクターの店主によるお茶や茶器などにまつわる事柄。

静岡の山間。スギの様子。気候変動の大きな近年です。

静岡は林業が盛んな土地柄だったので、山は雑木よりも植林された杉が目立ちます。山の色が同じ木の種類で揃っている風景は人が作ったものなのです。これは茶園の美しさのも通じます。園地の美しさは自然のものではなく人の手による造形美のひとつでもあります。

2月に入って寒が緩みました。外に出ていると花粉を感じます。静岡の山間はこんな色になってきました。

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杉の花粉の量は前の年の夏に決まります。夏が暑く、雨が少ないと花粉の量は増えます。2010年は梅雨明け後40日間雨が無い年でした。結果、一昨年の5倍とも10倍ともいわれる飛散の予報が出ています。(ちなみに2010年の花粉飛散が少なかったのは2009年の夏が雨が多く涼しかった為でした。)

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べにふうきを常飲しているとはいえ、花粉症なのでこの写真を撮っている時は心穏やかではありません。

さて、急に暑くなったり、寒くなったり地球が風邪をひいた様な気候変動はお茶の栽培を難しくしてきています。季節の移り変わりとともに気温が下がっていくと茶樹は段々に冬の準備をしていきます。からだの中の水分を減らし、葉を硬くし寒さに耐えられるようになっていく。お茶の樹は一日の平均気温が19度以下になると芽が伸びなくなって休眠の状態にはいります。逆に考えると、平均気温が19度以上になっていると新芽を大きくし、葉を作ろうとするということ。気温が上昇する時期の場合は新茶と言われる一番茶以降、二番茶、三番茶、四番茶と摘み取られた後に伸びてくる新芽を次々に刈り取ってお茶にしていきます。

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秋の整枝をせず春の整枝で対応しようとした園なのか伸びた芽が目立つ茶園。春の整枝後に新茶の芽が揃うのか興味があります。よく通る場所なので観察してみたいなと思います。

問題なのは、秋の摘採を終えて休眠に入り来年の準備をするタイミングなのに気温が下がらず、芽が伸びてしまうこと。来年の一番茶になるはずの芽が大きくなろうとした時に寒さに当たってしまうのです。(静岡では三番茶の時に形成される芽が来年の新芽になります。)寒さによる害は新茶時期の時にばかり気にしがちですが秋の段階で寒さの被害にあってしまうと翌年の春に影響が出ます。今年のような12月まで変に暖かな日が続いて、急に寒が来るのは決していいことではありません。対応は秋の整枝を遅くすること。翌年の新芽を大切にして寒さに当たらないようする整枝をする。カレンダーで決めるのではなく、茶樹の様子、その年の気候を考えて整枝をする。それこそが園地を見て「業」として行うことであり「農業」です。

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園地の管理が行き届き、葉の大きさ、整枝後の茎の太さが揃った状態のよい園地です。品種はやぶきた。錦園の扱い茶ではありませんが今年の新茶が期待される茶園です。(こんな茶園ばかりなら安心なのですが。)園主にお話しをうかがうと秋の整枝は10月の下旬だったとのことでした。

花粉の飛散が始まると春の雰囲気を感じます。そして、今年の新茶が無事に出来るのか?不安と期待の入り混じった日々も始まります。

日本茶専門店 錦園 石部商店
錦園店主 石部健太朗
日本茶インストラクター(02-0362)

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