FC2ブログ

日本茶インストラクター Nishikien owner's weblog 


日本茶インストラクターの店主によるお茶や茶器などにまつわる事柄。

天竜茶 おくひかり。太古の土地が生む硬質な香味

お茶にも早生、中生、晩生の品種があります。生産量が最も多いやぶきたを中生としてそれより早ければ早生、遅ければ晩生と区別されています。(ただ、やぶきたが登場した時は「早生」とされていました。)

晩生品種の多くは品種名の最初に「おく」がついています。今回の紹介の「おくひかり」の他「おくみどり」「おくゆたか」などです。
お茶には良質な茶をつくるための「適期」があり、適期を過ぎてしまうと繊維化が進み一般的な日本茶の価値基準としては下がってしまう事がほとんどです。良茶生産には「適期摘採」(適した熟度の新芽を摘みとる。)が基本とされます。この適期というのが難しいもので、やぶきたを比較で考えると多くの品種は適期が短く、これは早生、晩生の区別はありません。ある意味、やぶきたが特別な品種といえます。

DSC_4002.jpg
安倍川上流域 おくひかり

DSC01680.jpg
天竜川上流域 おくひかり

さて、おくひかりです。おくひかりは母系統「やぶきた」父系統「Cy225(中国湖北省産中国種)」の交雑から選抜され、昭和60年(1985)に品種登録されました。
親葉の色に艶があり、冬に園地まわりをしていてとてもよい印象を持つ品種です。やぶきたと比べて明るさと艶を感じます。直立性が強く(芽重型)、秋整枝後は若い枝が目立つため親葉と枝のコントラストが目に付きます。

DSC07991.jpg
天竜おくひかり


一般的におくひかりは低めの温度でいれるように書かれていますが、これはおくひかりの、硬質でスパイスをイメージさせる部分と渋味を芽重型品種の旨味でカバーしようとしているものです。適期の短さを気にしてか、ややミル芽過ぎる傾向の製品も多く、ミル芽のもつこもり気味な香りとおくひかりの品種の香味は重なるとどうも煩くなってしまいます。硬質な香味を生かし、いれ幅が広い(使用するお湯の温度の幅が広い)お茶にしたいと思えば若干、硬化が進んだ芽で製茶した方がいいようです。そして伝統的な形状のあるつくりが向いています。

品種の持つ香気は硬質でそれだけでもミネラル感のあるものです。天竜などの古代の地層が露出した産地にはベストマッチ。ちなみに静岡は安倍川を境に西に向うと長年の地殻変動によって古代の地層が露出してきます。本山周辺では5000万年前、天竜に到れば1億年前の土地が現れています。中国の茶経でも古い土地のお茶は香気が高いとされ、こと香気の面では天竜は恵まれた土地です。

今回ご紹介するの天竜おくひかりは上記の条件を満たした品です。お茶をいれる湯温は80度以上がおススメ。切れ味よく、通る香気、ミネラル感はまさに山間地茶の特長を楽しめます。そしてこのおくひかり、無農薬、有機栽培。これも大きなポイントです。病害虫の少ない土地と病気に強い品種だから出来ることですが、これが香味のバランスにとても役立っています。6月に仕上げをしましたが秋になって一段と香味が増すことが想像できそれもこのお茶の楽しみのひとつ。

20090625-okuhikari-6.jpg

冷茶にちょっと飽きたとき、熱めのお湯で楽しむならこの天竜おくひかりです。硬質な香味は暑気払いにもバッチリです。

okuhikari-4.jpg

「天竜茶 おくひかり」
価格:¥1050/80g
産地:天竜川上流域
生産:宮沢雅之
(農薬不使用、有機質肥料のみで栽培)
製法:普通蒸し
品種:おくひかり

錦園へのご注文はお電話、メール(shizuoka@nishikien.com)、FAXにて。ホームページには現在未登場です。近々に作成の予定です。ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。
静岡伊勢丹B1Fにて販売中。




日本茶専門店 錦園石部商店
錦園店主 石部健太朗
日本茶インストラクター(02-0362)

« 夏の園地。静岡市俵峰にて。& 冷茶試飲販売会のお知らせ。|Top|フルーティーな香味の新品種茶「香駿(こうしゅん)」についてつらつらと。 »

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://nishikien.blog82.fc2.com/tb.php/363-dff7c983

Top

HOME

nishikien

Author:nishikien

日本茶専門店 錦園石部商店 http://www.nishikien.com

日本茶インストラクター
02-0362

Face book 錦園石部商店

この人とブロともになる