日本茶とは何か?在来と品種

在来園(実生-茶の種子を植えた茶園)の様子。チャは自家不和合(自家不結実性 自家受粉では実を作らない)なので、一株、一株が異なる性質を持ち、茶園は色とりどりで芽の大きさも不揃いになります。
新茶シーズンにテレビや写真などで見かける一面が一色に染まり、新芽が整って生えているのは、挿し木(クローン)によって極めて近い性質のチャが植えられている茶園だからです。
私達が最も多く見る茶園は品種茶「やぶきた」の茶園であり、在来から品種茶園への急激な変化は、「やぶきた」が植えられるようになってからです。
昭和29年(1954年)の品種化率(茶園に対しての在来と品種茶の割合)は3.4%です。昭和54年(1979年)時点で茶園の品種化率は55.3%でほぼ半分が品種茶園となりましたが、品種茶の中で「やぶきた」の割合は82.1%です。
品種茶と言えば「やぶきた」であった事、そして、製品としての「茶」は品種化がされる以前は「在来」が基本でした。
年号をご覧になればわかる通り、品種茶が一般化するのは最近の出来事なのです。