日本茶インストラクター Nishikien owner's weblog 


日本茶インストラクターの店主によるお茶や茶器などにまつわる事柄。

世の中に売っていないモノ

私は本当に大切で良いモノは、きっと売っていないのだろうと思っています。

値段では無く、親戚や知り合いが「山に行って来たんだよ。」といいながらくれる山の幸や、「季節だからなあ。」と手渡してくれる釣ったばかりの鮎。どれも販売の流れには乗らないモノです。気持ちも鮮度も「売り物」はとても敵いません。

値段分の品質を維持し、年間安定を主軸とした「茶」。カタログ写真に則した製品を納品する「急須」が売っているモノ。それは消費が旺盛で安定供給が目的であった時代の鏡です。

年間たった10㎏しか生産量が無い単品の仕上げ茶。焼ける度に明らかに出来栄えの異なる常滑急須。
量が少なく、多くの業者さん達のような大きな売り上げは作れない品です。

どれも数十年前には「商品」として売っていないモノでした。

「それしかないの?」
「1個だけ?」

驚かれる方、それじゃあ商売にならないでしょうと半ば呆れた表情をなさる業者さんは勿論いらっしゃいます。

作り手の
「大事に売ってくれてありがとう。」
「今度はこんな風に焼けたよ。」
 
お客さまの
「今年のお茶は甘い味になりましたね。」
「素敵な景色の急須ですね。心惹かれます。」

私の言葉はどちらへも
「ありがとうございます。」
 
茶業や窯業といった大きな産業の中で、ひっそりと楽しく商いをさせていただけているなと思います。これからも、世の中に売っていないモノを売れたらいいなの気持ちを抱えながら。

皆さま、ありがとうございます。

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名古屋三越栄店にて「至福のお茶時間」開催のお知らせ。

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約1年ぶりとなります名古屋催事です。どうぞよろしくお願いいたします。

場所:名古屋三越栄店6階スタイルコート
「至福のお茶時間」
会期:2016年6月15日(水)~21日(火)まで

常滑焼急須作家二人展と限定生産静岡茶特別試飲販売会
同時開催:自然釉の常滑焼 日展作家 谷川勝明氏ほか

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「蒼風」や「香駿」など冷茶にしても美味しい香味豊かな新品種茶をはじめ限定生産の希少な静岡茶と常滑焼急須作家磯部輝之氏と甚秋陶苑伊藤成二氏の茶器などをご紹介いたします。

同時開催として穴窯で焼成された自然釉の常滑急須をご案内します。土と炎が生む芸の世界をお楽しみください。

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お茶の本、今、昔。

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昭和50年1月(1975年)発行 別冊家庭画報「お茶に強くなる本」と平成28年6月(2016年)発行 ディスカバージャパン「世界はすでに日本茶の魅力に気づいている。」より。

「粉茶(こなちゃ)」の写真比較です。ご覧の通り全く違うお茶です。

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<昭和50年別冊家庭画報 お茶に強くなる本 P12より>

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<平成28年 ディスカバージャパン 7 P87より>



この写真を見て

「へえ、違うんだねえ。」

で止まったらそれは少々勿体ないですね。お茶にご興味がある方ならもう一歩考えを巡らせてみてください。

さて、粉、茎などは荒茶を仕上げる時に出る「出物(でもの)」と呼ばれるモノ。つまり、荒茶に含まれている部品です。

そして、お茶に強くなる本の茶種の説明ページに「深蒸し茶」が無いこと。※正確には茶販売店紹介のページに深蒸し茶はフリースタイル茶として名前が出ます。

茶園紹介の写真や、当時の製茶機械のサイズなどを考えると見えて来る事柄があることでしょう。

この2冊を比較するだけで、他にも知的好奇心を駆り立てる内容はいっぱいあります。

宇治茶と八女茶に関しての記載も実に面白いです。
例えば、「九州各県の茶は玉緑茶が主体ですが、八女茶は玉露、高級煎茶に重点をおいています。(P51)」など。

お茶とはいいものです。飲まなくてもこんなにも楽しいのですから。

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Author:nishikien

日本茶専門店 錦園石部商店 http://www.nishikien.com

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