日本茶インストラクター Nishikien owner's weblog 


日本茶インストラクターの店主によるお茶や茶器などにまつわる事柄。

深蒸し茶は昔「黄緑色かちょっと赤みを帯びた色だった。」

深蒸し茶は昔「黄緑色かちょっと赤みを帯びた色だった。」

さて、写真は正しく「しとり(≈ 恒率乾燥を維持した状態)」のある製茶が行われた茶葉の変化です。:協力:横沢共同 2013年撮影
再現性が高く、細く撚り過ぎない製茶。手揉み製から機械製への移行が正しく行われている証です。

茶葉の変化

かつて、形状ばかりを意識して、蒸熱が足りない茶、きりきりと細く作ることをした茶は香味に乏しく、苦渋味の強い茶になりました。形状ばかりを重視した結果、「茶は見る物にあらず、飲むものなり」の言葉を生む事になったのでしょう。

蒸熱時間を長めにとり、効率よく「湯びく茶(湯びき茶):茶葉を茹でて作る製法の茶」を作ろうとしたのが「深蒸し茶」と呼ばれるようになった茶の始まりです。(※深蒸し茶のルーツ編纂の際に調査)

茹でられた状態の茶葉は軟らかく「形状を残しながら乾燥度を高める事」を考えて設計された機械での製茶が非常に難しかったのです。水分量が多く、潰れた茶葉は熱風が通りにくく、水色は黄緑から赤を帯びた色になりがちです。それが、かつての深蒸し茶の水色の理由です。

尚、背面送風の粗揉機はこの欠点を補おうとして考えられたものです。(発想としては既に大正時代にあったが、その風量を加熱するだけの熱量を発生させる火炉:バーナーなどが無かった。)

「日本に行って日本茶を飲みたいなあ。」の気持ちが湧きあがるように。

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2012年1月、ご縁があり訪れたブルゴーニュのワイナリー。真摯な生産の様子は摘採に使用する道具や伝えてくれた言葉の中に確かに感じられるものでした。エチケットにはブドウ摘みのカゴを肩に背負う男性が描かれていました。

見学の途中、納屋に仕舞われた端々が染まったカゴを見上げて、お茶の手摘み用の茶びくを思いだしたのを覚えています。

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「国外への販売などはどう思いますか?」と訊ねると「以前は行ったけれど、最近は国内のお客さんを大事にしているので余り考えていない。」といった旨の答え。代々受け継がれる非効率にも見えるワインの生産はそのまま、山間地での茶生産に繋がるものです。そして、生産量はワインよりも少ないのがそのような「日本茶」です。

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本当に良い物は本来、海外へは出ないものです。その価値を認められ、国内で大事にされる。富裕層にとの掛け声を耳にしますが、日本茶など高価格といっても、100gでやっと5ケタに届く程度の製品であり、その生産量など年間で100㎏程度。

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数千万のクルマや何百万のプライスタグが付けられた時計などではありません。手が届かないものでは無い品であること。これは急須も同様です。

海外の方が日本茶を好いてくれるのは本当に有難い事だと思います。そうであればこそ、日本で楽しむ茶についてをもっと大事にしたい。

日本において独自の進化をとげた「蒸し製の緑茶」。蒸し製は製造に「水」を使う製法です。

その土地に降った水で育ち、その土地の水で作り、その土地の水で飲めるお茶。それが抹茶を含めた「日本茶」です。

インターネットの普及によって情報の発信が手軽になった世紀。「日本に行って日本茶を飲みたいなあ。」の気持ちが湧きあがるように伝える事も出来る時代です。そして、その想いに応えられるようにする。それこそが大切な事と思うのです。

日本に暮らす人に、日本茶を普及ではなく、日本茶の面白さを伝える。遠回りに見えるけれど、それが海外へ継続して日本茶を売る大事な一歩。「ならでは」の品と楽しみこそが生命線です。

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日本に来て良かった


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2016年5月16日。
青い目の彼に山の茶工場で一杯の茶をいれる。気負いもなく出来る事を重ねて自然に。

茶を口にした彼は笑顔になり

「日本に来て良かった!」と言った。
「美味しい」でも「どうやっていれたのか?」でもない。
「日本に来て良かった!」だった。

そう、日本茶とはそういうものなのだ。

手摘み在来、今年で5回目。

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2016年度玉川手摘み在来の摘採製造日を5月8日(日)と生産者からのアナウンスをいただきました。
2012年より実現した手摘み在来、今年で5回目となります。

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静岡本山茶研究会在籍時に関係した熟成本山茶の事業の際に出会った在来の熟成茶ならではの美味しさと在来ゆえに変わる年度ごとの風味を製品化しようとした企画しました。

やぶきたを頂点とする品種茶のインパクトはありませんが、遠くからずっと聞こえてくるような余韻とやさしさ、そして懐かしさ。日本の土地に根付き、日本の気候で育ち、日本の水を使って飲める当たり前の中にある奇跡。

楽しいとき、辛いとき、嬉しいとき、悲しいとき。
私がいつの日か、お茶や茶器についてを語らず「まあ、お茶でも飲もう」といれるお茶はきっとこのお茶です。

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2012年版は完売となり、年度によっては在庫が少なくなっていますがビンテージの日本茶としてお楽しみいただける製品です。

ご期待ください。

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やあ、こんにちは。 初めまして。

この品種に興味を持ち、一体どのくらいの年月が流れたのだろう。

かつては静岡の奨励品種ともなりつつも茶業の歴史の狭間に消えていった品種。
強烈な個性があるわけではないと想像しながら、心のどこかに引っ掛かっていたお茶。

いわくありげな話を耳にし、本物のこの品種が何処にあるのかと天を仰いだ事もあった。
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2016年5月5日、来歴がはっきりとして園地も特定出来る単園の製品とやっと出会えた。

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「やぶきた」では無い事が拝見で伝わる。 ビターでありながら、するするとした香味。あぁ、ピノ・ノワールに繋がる。

やあ、こんにちは。
初めまして。
来年、再来年と、もっと、もっと美味しくなっていこう。
これからよろしく。

その品種は「大棟(おおむね)」。

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