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日本茶インストラクター Nishikien owner's weblog 


日本茶インストラクターの店主によるお茶や茶器などにまつわる事柄。

2014年錦園サロンセミナー第4回「日本茶のビンテージ2-印雑系品種」終了しました。

2014年錦園サロンセミナー第4回「日本茶のビンテージ2-印雑系品種」が終了しました。10年を経た印雑系品種を使用しながら拝見や呈茶を通じて日本茶のビンテージについてをお伝えする第2回目です。(前回はやぶきたや山峡などの品種茶を使用した内容でした。)

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左:大葉水香2004(水見色かおり)釜炒り製
右:水香清茶2004(同上)

全ての茶を審査茶碗を使用した拝見から始め、外観、湯が注された後の変化や香気そして内質を見ることをします。その後、説明と解説。茶器などを使用した呈茶、テーマのお茶に関連したフレンチシェフのアミューズブーシェ。
第1・2・4回のサロンセミナーはインドア開催となりこの流れが基本になっています。

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「水見色かおり(杉山八重穂×静-印雑131)」
インドから導入された種からの実生選抜が行われ固定された「静-印雑131」特長的な花香は「アントラニル酸メチル」によるものです。やぶきたを中心とした交配では大きな親葉になることが多く、萎凋工程を取り入れた釜炒りの製法では葉痛みになる場合が少なくありません。親葉が小さな品種でもある杉山八重穂と静-印雑131が来歴となる「水見色かおり」は萎凋時に葉痛みになりにくい特性を有していました。
水見色かおりを使用した2004年産の「水香清茶」と「大葉水香」は共に釜炒り製法の茶で特徴的な香味以外に注目すべき点があるお茶です。

水見色かおり
水見色かおり2004年撮影

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大葉水香2004

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水香清茶2004

その他、蒼風2点、近藤早生、香寿(全て印雑の特徴を有した品種で来歴は「やぶきた×静-印雑131」)を同時に拝見し、また来歴の元になる「静-印雑131」「杉山八重穂」「やぶきた」を合わせて比較しました。オリジナル摩利支2004はゲストとして。

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サロンスペシャルなオフレコの話題などもあり参加者故の面白さも満載であったかと思います。次回についてはただ今、内容を検討中です。
茶についての勉強はインドアとフィールドワークを組み合わせることが重要なので次は第3回同様に茶園散歩が出来ないかと思っています。

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フレンチレストランペパン 古賀シェフ

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印雑ほうじとドライフルーツのヌガーグラッセ

追記
第一回のサロンセミナー日本茶のビンテージ1に続き、今回のサロンセミナーも10年を経たもう手にはいらないお茶を題材としてお話しをさせていただきました。
茶業者外の一般の方であっても、拝見を通じて茶葉の香り姿に触れる時間をつくること。売らんがための言葉を一切排除して茶についてを先ずは伝えること。人をバカにしてしまわない。ケムにまかない。
お茶の持つ可能性はまだまだあり、楽しみの幅は私の一生を掛けても足りないと感じています。

勉強はクイズでも、ナゾナゾでもないこと。それは人生を豊かにすることであること。お茶を通じて私だから出来ることをこれからも重ねていければと思います。

ご参加の皆さま、ご協力を賜りました関係者諸氏へ感謝致します。
今後とも何卒よしなに。

【2014年錦園サロンセミナー第4回「日本茶のビンテージ2-印雑系品種」】

日時:2014/07/20 PM3:30~5:00
場所:フレンチレストラン「ペパン」静岡市葵区両替町1-3-9わかさビル1-A
ホスト:石部健太朗
【古賀シェフのamuse-bouche】
印雑ほうじとドライフルーツのヌガーグラッセ
【サロンセミナー参加記念ギフト】
松川近藤早生2014 手炒りほうじ茶

【茶のリスト】
1:水香清茶2004年(水見色かおり)
2:大葉水香2004年(水見色かおり)
3:香寿2012
4:蒼風2012(内牧・手摘み)
5:蒼風2014(玉川・手摘み)
6:松川近藤早生2014
7:静・印雑131
8:杉山八重穂
9:やぶきた
10:オリジナル摩利支2004

1~10は全て拝見

1:水香清茶は冷茶をつくりワイングラス
2:大葉水香は茶すくいを使用
10:オリジナル摩利支2004はお土産となりました。

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大葉水香と茶すくい

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七月のサロンセミナー【水香清茶2004】

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2014年 錦園サロンセミナー第4回「日本茶のビンテージ2-印雑系品種」に向けて、水香清茶2004(すいこうせいちゃ2004)の冷茶が出来ました。口にした途端、時間の流れが止まりました。

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10年前、何故、このお茶の冷茶が飛び抜けて美味しく感じたのか。今なら伝えることが出来ます。10年を経て、言葉に出来るようになったのだと気づきました。

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杉山八重穂の子供であること。
印雑であること。
自然仕立てであること。
摩利支のような旨味があること。
釜炒り製法であること。

冷茶を美味しく感じるマトリクスが形成されている。
このお茶に出会えたことが奇跡であったことを「今」、知りました。


水見色かおり

錦園サロンセミナー第4回「日本茶のビンテージ2・2004年産大葉水香と水香清茶」+2004年産オリジナル摩利支

7/20 第4回サロンセミナー満席となりました。ありがとうございます。セミナー開催日には「静岡茶共同研究会編 深蒸し茶のルーツ」が完成している予定ですので会場にお持ちします。

深蒸し茶のルーツ表紙

-----サロンセミナー次第--------
錦園サロンセミナー第4回「日本茶のビンテージ2・2004年産大葉水香と水香清茶」+2004年産オリジナル摩利支

日本茶のビンテージの第2弾。第1回サロンセミナーのテーマと同様ですが今回は印雑系品種に焦点を当てます。登場するお茶は2004年産大葉水香と水香清茶。また、2014年一番茶を振り返って本年度産のお茶の傾向などもお伝えする予定です。

日時:2014年7月20日(日)午後3時30分~5時まで
場所:フレンチレストラン「ペパン」(静岡市葵区両替町1-3-9わかさビル1-A)
会費:5000円
古賀シェフによるテーマに沿ったアミューズブーシュ付
定員:10名(予定)以前のセミナー参加者を優先させていただきます。
※現在-残席1となりました。

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静岡産業大学で日本茶文化史講義「日本茶について」

講義

約一年振りの静岡産業大学で日本茶文化史講義を担当させていただきました。
先週土曜日の秋葉原でのセミナーの流れで、内容を再調整し

・安倍の百年茶「樹齢百年近い在来(実生)」
・日本平のやぶきた「手摘み単園、単日製造(実生選抜)」
・蒼風「静岡市足久保産(交配品種)」

を飲んだ後に、在来から品種への転換によって何が変わったのかを味覚と視覚情報、統計資料の数字を重ねる構成です。(摘採方法が茶バサミによるものが主流になった時から園地の風景はガラリと変わることなども。)
合わせて、1981年の明るい農村「リポート’81 茶摘み唄は消えて」を見ながら解説をし、その当時に盛んになっていった「やぶきた」の導入についての茶商や生産者の考え方などが垣間見られるようにしました。ちょっとした思考のタイムトラベルとなった約90分。

お茶は日常にあるもので、生活に溶け込むが故に今のままの姿が過去もそうであったように考えがちになります。1981年は33年前。受講した学生にとっては生まれる遙か前の放送を見ることで、今では当たり前の風景がそうではないとされた時があったことに気付けてもらえればそれだけでも意味があるのかとも思えます。

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秋葉原日本百貨店しょくひんかん一周年記念イベント「日本の美味しいお茶講座」

2014年7月5日(土)秋葉原日本百貨店しょくひんかん一周年記念イベント「日本の美味しいお茶講座」にてセミナーを開催いたしました。同店にて展開されている静岡県初の東京アンテナショップ「おいしず」も同じく一周年。

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セミナーは盛会の内に終了。参加が先着順で20名ということもあり、立ち見の方などもいらっしゃる状況となりました。
時間が短く、だいぶ畳んだ内容になりましたが、これまでの日本茶セミナーとはひと味違った感じで出来たのではなかったかと思います。

お茶に興味をお持ちの方が潜在的にいることを踏まえて、ただ美味しいだけではなく、もう一歩進んだ深い内容でのセミナーが各地で開催されれることを期待したいものです。

ご参加の皆さま、ご協力を頂いた関係者諸氏のおかげで楽しく過ごせました。ありがとうございます。
今回のイベントは静岡新聞にて記事にもなりました。(2014年7月6日 静岡新聞県内総合面)
ご一読いただければ幸いです。

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