常滑焼 平型急須と蓋あわせ~常滑ならではの急須~

常滑焼 平型急須。
お茶をいれていて、蓋と胴との隙間から漏れてくると使い難いものです。蓋が広い平型急須ですが、使い勝手がいいように蓋と胴を出来るだけぴったりとあわせています。

急須の蓋合わせ最終工程

急須の蓋と胴は焼成前からぴったりと合うようにしていき、最後に研磨剤と動力を使ってすり合せをします。写真は鋳込みの急須ですが手づくりの品であっても同じです。常滑では昭和30年代後半からこのような道具を使って蓋合わせをするようになったようです。
常滑の古い急須(初代常山急須など)を見ると最後のすり合せる蓋合わせがされていないけれど、ひどくガタガタなものもあまり無い印象です。これは仕事が丁寧ということもありますが、生産量が少なくて手を掛けられていた時代だったからでしょう。常滑での聞き取りにおいても、最初は蓋の合いが悪かった品を気にして修正したのが始まりだったのだろうとのことでした。
生産量が増えて、効率化出来る部分は機械を利用しながら常滑急須の精度は上がっていきました。安価な品も、高価な品も常滑急須の多くは蓋がぴったりと合っています。
「他の産地の急須は蓋がガタガタでも商社が納品を受けつけるのに、常滑の急須は蓋が合っていないとダメだと言われるんだよ。なぜなんだと訊ねると常滑だからってさ。」なんて話を何度か耳にしました。
常滑ならではの精度の高い急須づくり。この技術あってこその平型急須。
ただ今、来年のデビューに向けて準備中です。
