日本茶インストラクター Nishikien owner's weblog 


日本茶インストラクターの店主によるお茶や茶器などにまつわる事柄。

8/31(金)~9/1(日)の三日間 静岡伊勢丹B1Fにて試飲催事を開催いたします。

明日8/31(金)~9/2(日)の三日間、静岡伊勢丹B1Fおいしいふるさと村にて試飲催事を開催することとなりました。
内容は「天竜茶と本山茶」の在来や香駿、おくひかりなどをご用意いたします。
お近くにおいでの際は、お気軽にお立ち寄りください。

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日本茶専門店 錦園 石部商店
錦園店主 石部健太朗
日本茶インストラクター(02-0362)

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取引先の製茶問屋社長との会話の中で、静岡市のフランス料理店 ペパンのオーナーシェフ古賀さんがいれたお茶が美味しかったと伝えられた。

お客様との食事でペパンさんを使った際にトールタイプのグラスを使って冷茶を出してくれたのだが、香りが有り特長もハッキリしていつつ、味が軽くいれられていて料理ともマッチングが良かったとのこと。
そして「彼はお茶をいれるのが上手だね。」と言っていた。
社長はお茶をいれる事に関してはめったに人を誉めない。因みに、私は誉められた記憶は無い。

古賀さんのイメージする力によるものだろう。料理人として食事をトータルで楽しむ事を考えた時にどんな味にするのかをイメージし、それを反映させている。この事はワインのセレクトにも通じている。お茶も料理のひとつであり、茶葉はスープを作る食材なのかも知れない。

そう言えば、お茶をいれるのを見せた事は有るけれど、一度もいれ方を伝えた事は無かったな。
いつも、人にお茶のいれ方について話している私が不思議なものだなと思う。

そう、お茶をいれるのに最も大事なのはイマジネーションなのだ。
片方の頬が静かに笑顔の形になる。
窓から入る風に秋がある心地よい夜だ。


日本茶専門店 錦園 石部商店
錦園店主 石部健太朗
日本茶インストラクター(02-0362)

小布施にて。



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ドーン・・・
ドン・・


果樹園に響く鳥除けの爆発音。たわわに実る色づき始めたリンゴの他、葡萄や桃、栗が視界を占める。
長野県、小布施町。
急須にとりつかれてなぁ、と笑いながら話をしてくれたジイさんにお茶をいれに来た。

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果樹園の防霜ファン。静岡ではよく見かけるが茶園以外で眼にするのは初めてかも知れない。



「よお、こんちわ。お茶をいれに来たよ。」
「あれ、こんなに早く来てくれたのか。」
「約束したのと、この後は忙しくなってしまってとても来れないからなあ。」
爺さんの顔がほころぶ。
「見ていくかい?」
拝観を促されてギャラリーを覗く。

急須のコレクションに興味がある人は多くないのか、10日ほど前に書いた芳名帳の最後は私の名前のままだ。

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平安松雨

およそ半世紀をかけて集めた急須のコレクションが壁を埋める。
温故焼に常滑焼、萬古焼、京焼などなど。
作者は青木木米、森有節、初代、二代、三代山田常山、永楽保全など錚々たる人たちだ。

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京都の名工 青木木米(明和4年(1767年) - 天保4年5月15日(1833年7月2日)の急須。

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茶漉しの穴は小さなものが7穴。かなり、上についている印象だ。



ひと通り、コレクションを拝見してから母屋に上げてもらいお茶をいれる。
お茶は「築地山峡」、「築地蒼風」、「俵峰 望月庄司さんの おくひかり」。封を切り、茶葉を見せると

「こんなお茶、見たこと無い。いいお茶だなあ。」
「いい急須を沢山持っているなら、いいお茶も飲まなくては。」
「そうかね。」

急須や、お茶のことやらを話しながら時間が流れる。
「おいしいお茶飲んだから長生き出来そうだよ。」
「おう、そうしてくれ。落ち着いたらまた来るからサ。お茶、置いていくから好きに飲んでくれな。もったいながってとっといちゃダメだぜ。」
「そうかね」

葉月の終わりごろ、残暑の厳しい日の話だ。

日本茶専門店 錦園 石部商店
錦園店主 石部健太朗
日本茶インストラクター(02-0362)

日本茶について

茶業者となりお茶に関して人と話すことが増えた。

そんな中、「私は日本茶をほとんど飲んでこなかったのです。」という方に話を聞くことが時折あるようになった。もちろん、日本人で日本在住の方にだ。

数年前の中国茶のブーム以降、香りといえば烏龍茶や紅茶などのわかりやすい強い香気をいい、製茶に関して知識の無い者がやれ「萎凋香が!」などという難しい言葉を発したりする。
日本人の資格好きからなのか、わざわざ大陸などに行って様々な資格取得に熱をあげる人もいる。そのような方に日本茶について聞くと全く知らないに等しかったり、勉強をしたという中国茶に関してもペーパーの知識と短期間でお茶をこねくり回して飲んだ程度で底の浅さがすぐにわかることが少なくない。試験勉強で覚えた知識を深めるわけでもなく、結局は好きか嫌いか、美味しいか不味いかをグルメのように語っているに過ぎない。その位置から脱している人は極々一部だろう。茶業者では無く、趣味の世界の話なのでいいといえばいいのだが、「何故、日本茶ではなく海外のお茶を趣味に選ぶのだろうか?」と一抹の違和感を覚えないではない。

疑問を胸の内で反芻し出てきたのは日本茶の業界にいる者としての「自戒」だ。中国茶を嗜好していた知人の言葉でよく聞いたのは「日本茶は美味しくなくて。」だ。茶業者になった頃は何を言ってるのかとも思ったが、今は違う。日本茶の世界を見回すと「その通りだね、申し訳なかった。」という気持ちになる。

日本茶を飲んで好きではないという人の感想は概ね次の通りだ。

1・色ばかりで、香気がすくない。イグサを飲んでいるみたい。
2・胃へのストレスを感じる。
3・どれもこれも似た様なもので、選択肢は価格しかない。
4・特別さを感じる楽しさが無い。
5・急須を使っていれても、詰まってしまいいれにくい。
6・茶殻がべしゃべしゃしていて捨てるのが面倒。
7・お茶について説明を求めても「これはいいお茶です。」などとワケのわからない説明しかない。 などなど。

ごもっとも過ぎて言葉も無いとはこのことだ。(2に関しては海外のお茶にもよく見られるので日本茶だけではない。生産地に関わらず起きうる欠点だ。)

20世紀末から21世紀へ、嗜好飲料の選択肢は広がり、海外からも色々なお茶がはいってくるようになった。前述の1点に該当するだけでも気持ちが離れそうなのに、丸々7点を併せ持つようなお茶に出会ったならそれらを乗り越えてでも、ワザワザ日本茶を飲む理由を探す方が無茶な気にさえなる。
これが今の現状で、しかも既にこのようなことが言われはじめて20年近くが経過している。

では、日本茶とはその程度のものなのか?それは断じてない。最も多く生産されている「蒸し製法の緑茶」は世界的にも珍しい製法であるとともに、特長のある香味を持つお茶だ。 抹茶の原料となる碾茶や玉露はもとより(この2種は同じ施肥体系と栽培方法で作られている。)、それらの栽培方法を源流に持つ煎茶も「旨味」をベースにした味のボリュームを持っている。これは日本茶の大きな個性のひとつだ。

必要以上に色を追わず、ちゃんと茶温をあげ基本を忘れずにつくられた「茶」は植物のものではない「茶」としての豊かな香気を発する。これは世界で一番生産量が多い中国の緑茶(炒り製)とも異なっていて比べるものが無く、世界の大量にある「緑茶」のカテゴリーに納めてしまうことがもったいないほどのユニークさがある。

最近、ヨーロッパ圏での日本茶の感想が耳に届くようになった。私が以前に海外でお茶をいれた際には 外国茶以上に水質に左右される日本茶のデリケートさ故に、海外での嗜好品としての展開は難しいのかととも思っていたが、それも個性としてとらえ日本茶にふさわしい水の提案もあわせてすることでファンが増え始めているようだ。

昨今、日本においてあちらこちらで烏龍茶や紅茶製法のお茶や地方茶としての番茶に着目し生産をし始めている。それ自体はいいことだとも思う。私も10年前にイレこんだクチだし、得たものも多い。ただ、そこで作られるお茶は一見、珍しいように見えてもその多くが海外ではゴロゴロしているもので「日本で作られた」という以上のアドバンテージはほぼ無く、海外産のそれらのお茶は安価で良質なものが多いのを知っておくべきだ。

産地の規模、生産量、製茶技術、製茶機械や先達の研究成果などを鑑み、大事にしなくていけないのは新しいモノではなく手の中にあるお茶だ。

おいしい日本茶を作る為の道具も資材も環境もすべて揃っている。ただ、出来ていないだけだ。 自らの都合ではなく、「良いお茶をつくる。」ということに真面目に取り組んだお茶が生産され、相場に左右されない価値を持つお茶が増えることを切に望む。これが出来なければ日本茶の明るい未来などありはしない。


DSC_4814-東頭にて

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錦園店主 石部健太朗
日本茶インストラクター(02-0362)

フランス語表記のパッケージ

パリのお客様よりの依頼でパッケージを準備中。書かれているのはフランス語ですので私にはさっぱり読めませんが、「ああ、この生産家のお茶がフランス語で紹介されるのか。」と思うと素直に嬉しく思えます。

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しかし、落ち着いて考えると年間の生産量で9kgや20kgしかないようなお茶がパリで楽しまれているなんて、実は日本茶の世界にとって希望のある凄くトピックな話題なのではないだろうか。

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かなやみどり

かなやみどり、「香り」を意識する時、この品種ははずせない。

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1970年に命名登録。同年にこの品種を父に持つ「香駿(70-11-6)」が選抜され、30年後に品種登録される。
青々とした果実を想わせる香味のお茶といえば、かなやみどり。

冷茶もおいしいが、年明け2月から3月頃に飲む味わいは軽やかに春を感じさせて格別。
そして、その美味しさに気がつくには毎日でなくとも季節を通して口にすること。
お茶とはそういうものだ。

画像の蒼風は商品名「望月庄司作 かなやみどり」お問い合わせは、メールにて

info@nishikien.com




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錦園店主 石部健太朗
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去り行く夏の日、ビストロ ペパン古賀シェフとの食事会。

ちょっといつもとは雰囲気の異なる記事です。

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参加者、持ち寄りスタイルの食事会。ビジネスではなく、タイミングの合った気の置けない友人・知人とのちょっと贅沢な夕食をしようが主旨(だったように思う)。今回、個人的に試してみたかったのは生牡蠣に「日本茶の冷茶」はマッチするのか?でした。

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これは、今回の岩牡蠣にあわせて用意した冷茶。チョイスした品種は「おくひかり」。通常の冷茶とはひと味、ふた味違うリッチバージョン(手間も、茶葉も掛けた)。にしたつもりです。


数日間、考えて2種類の品種を選び、冷茶のいれ方も少々工夫をしました。ただのノンアルコールと考えず、料理に合わせられるワインと同等価値(コスト的にもという意味を含みます。)の飲み物に出来ないか?

冷茶の結果は個人的には65点。今回を踏まえて、小修正すれば80点になるかな?が結果でした。

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この岩牡蠣がなかなか開かない。「もしかしたら、岩なんじゃねえか。開かねえなあ。」と笑いながらの楽しい時間。


もちろん、岩牡蠣、ガレットその他はそれはそれは美味しかったです。
ありがとうございました。GOOD-BY SUMMER♪


<補足>
フランス料理店 ペパンオーナーシェフ古賀さんは静岡県の「ふじのくにやまのお茶100選」において昨年、銘茶評価にも関わってくださっています。
今シーズン、茶園や製茶の現場などをご一緒に廻っていただきました。食材としてのお茶や、ワインとお茶の共通性などを考えるにあたり、アドバイスなどご協力をいただいています。
余談ですがパリの取引先(フランス在住20年)が静岡に来た際、こちらで食事をしましたが彼いわく
「パリでもこんなに美味しいフランス料理の店は珍しいですよ。」とのことでした。
短い間ですが私もパリ出張時に同様の感想を持ったのと、このような味の食事がされているのなら、日本茶は健康食品としてでなく嗜好品として充分にパリで受け入れられると確信を持ちました。


<ペパンさんの情報>
http://www.at-s.com/gourmet/detail/1574.html





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アオノカゼ

アオノカゼと書く品種「蒼風(そうふう)」

これからの品種としての面白さを一番感じているお茶。
これまで、印雑系のお茶は苦渋味と香りのバランスをとっていれるのに苦労したが、蒼風にはそれがない。

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日本茶らしい旨味ある味わいを一煎目に楽しみ、二煎目以降、熱めのお湯を使って香りと爽快な渋味を楽しむ。
これまでのお茶とは明らかに違うけれど、キャラクターが日本茶なのだ。

画像の蒼風は商品名「築地蒼風」お問い合わせは、メールにて
info@nishikien.com
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お茶の香味についてどのように表現するのか?

お茶の香味についてどのように表現するのか?

というお題がでると引き合いによく出されるのがワインだろう。時折、ソムリエの方に力を借りてセミナーなどが開催される事もある。

そして、そのような場所で聞き及んだワインに使われる表現をお茶に落とし込もうとするのだが、どうもピンとこない方が多いように見受けられる。

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何故となれば、それもそのはずでお茶を表現しようとする側に実感が無いからだ。
本気でワインの表現をお茶に取り入れたいのであれば、方法はただひとつで、特長のはっきりとしたワインを目的を持って数多く飲むしかない。

言葉にする者の実感のこもらない表現など何の意味を持たない。
おいしいトコどりで都合のいい近道などは無いということだ。

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2012年立秋。自然釉の常滑急須~窯出しの日。

2012年立秋。自然釉の常滑急須~窯出しの日。

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今回の常滑行きのメインイベントは自然釉の常滑急須の窯出し。立秋の日、午後に窯元へ伺って窯出しの様子や出来たばかりの自然釉薬の急須を見せてもらった。

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常滑らしい高精度の急須と、穴窯焼成による焼き物として面白さを組み合わせることをお願いしたもの。急須は製造技術の高さが要求され、かつ手間の掛かる焼物なので穴窯のように不確実な部分が大きい焼成方法敬遠される。破損したり、蓋が取れなくなってしまったり、歩留まりも悪い事も大きな理由のひとつだ。

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窯の中に佇む、急須や他の焼物からは出来たばかりの初々しさが漂う。一昨日まで窯の温度は180度近くあったということで、窯からでたばかりの急須を手にすると気温以上の暖かさを感じた。

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品物を出しながら、「火に強い土だね。」「蓋がくっついてなくてよかった。」「自分のイメージの中の方がもっとよかったんだよなあ。」など、仕事なのだけど声の中に楽しさがはっきりとある。

窯のまわりに集う人々の間に、実にいい空気が流れる。モノづくりの場とはこういうものなのだろう。その末席に座らせていただけていることをとてもありがたく思う。

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錦園店主 石部健太朗
日本茶インストラクター(02-0362)

常滑にて。10のうちのひとつの話。北條 清水源二さんの工房にて。

秋の催事について打ち合わせと撮影に常滑へ。

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北條 清水源二さん作、非売品の急須。直線的に朱と黒に色が分かれた急須。籾殻を使う燻しではなくこの意匠を生み出す。
黒と朱の境にある銀色が実に美しい。



久しぶりに源二さんのところへも顔を出す。 源二さんは急須職人の中でも、その技術の高さを認められてる職人さんだ。焼物らしさと急須という茶器のバランスがとてもいい。

自分の作った急須でお茶を実際にいれているのが道具の持ち具合から伝わってくる。急須を触っていると「これを作っている人、急須でお茶をいれていないな。」というのは直ぐに気がつく。残念ながら、そんな急須はゴロゴロしている。

お茶を飲みながら、
「10あるうちの9つは日々の仕事としてしていくのだけれど、残りの1の部分で商売ではない新しいものづくりやチャレンジをしていくのが大事なんだよ。そして、この1の部分が結果的に自分を助けてくれている。」
と話してくれた。


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20年近く前に焼いた、穴窯焼成による自然釉の急須。こちらも非売品。「僕の宝物なんだよ。時々見て、1の大切さやものづくりを考えるんだ。」と源二さんは笑う。商品としての価値を超越した急須。素晴らしい。


そして、
「時々、講師として急須や焼物についてのことを学生さんに話すのだけれど、どうすれば早く上手になれるのですかと質問をされたん。その時、そうだね、それはいい質問だよ。それはつくることだよ。1個よりも10個、10個よりも100個、100個よりも1000個つくることだと答えたんだ。」とも。

常滑とご縁が出来、通い始めて14年近くが経つがいい職人さんだと感じる人は、新しいチャレンジをし、それを続けること、定番のアイテムを作り続けることを例外なくしている。
この両輪があって魅力的な製品が生み出されているのだとわかる。

無形の土から、有形の魅力ある急須を生み出す職人諸氏。お茶を商いとして、ご縁が出来ていることを何よりありがたい。彼らの技術そして思いと共にテーブルの向こう側の方たちに伝えていきたいと思う。

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錦園店主 石部健太朗
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常滑蓋碗という茶器。

常滑蓋碗(とこなめがいわん)。
2004年常滑で行われた「常滑急須プロジェクト」に関係させて頂いた際に製作した商品です。 急須プロジェクトに参加した際、Tea Plan翠香 足利仁さんと私が常滑のせっ器のキャラクターを活かした蓋碗の製作を提案し、それは「茶逢(ちゃほう)」という茶器づくりへと繋がっていきました。

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常滑急須プロジェクト
http://www.toko.or.jp/kyusup/index.htm

蓋碗は字のごとく、見た目は湯飲みに蓋の形状ですが轆轤による製作は難しく、中でも使いやすい位置に蓋の高さを決めるのは職人泣かせな部分でした。(急須のように蓋受けが無いので、蓋の直径と碗の内径で高さを調整するしかないのです。)

一人の職人さんは見るなり、「これは大変だ。これは鋳込みでつくる茶器だ。」と話されたのが耳に残っています。 その後、常滑蓋碗は轆轤と鋳込み(鋳込み製作:高資陶苑 常滑蓋碗 高資と名付けました。)がつくられましたが、どちらもそれぞれの良さがある茶器となりました。特に鋳込み製の蓋の軽さや薄さ、精度は鋳込みについてご存知の方であればあるほど驚かれることと思います。

首都圏で開催された「オソン夏の大茶会」でデビューをし、「磁器製と比べて熱が伝わりにくく持ちやすいこと。」「蓋の位置(隙間)を決めやすいこと。」などから中国茶を愛好なさる方々を中心にご好評を頂戴しました。日本茶をいれる際にも、急須よりも茶葉との距離が近い印象で形状のあるお茶を楽しむにはとてもいい道具であり、常滑蓋碗でいれたダージリンセカンドフラッシュの美味しさはこれまで飲んだ紅茶で一番と感想を持った事を思い出します。

さて、時は過ぎ商環境の変化などにより鋳込み製の常滑蓋碗はつくるのが難しくなり現在の在庫限りで終了となることとなりました。 鋳込み製作のコストなどを考えると今後、この精度の品が出来ることは無いでしょう。

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常滑蓋碗・高資(価格 ¥3360~¥4410) 在庫限りで終了。

常滑蓋碗高資
http://www.nishikien.com/003tea-things-gaiwan/gaiwan-takasuke/gaiwan-0006.html
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茶業研究センターにて

発酵茶ラボの開設イベントを覗いたあと、付近を散策。

陽射しが強いけれど、いい風が吹く中を歩く。目指したのは場内地図にあった「品種保存園」。

実験茶園の隅のほうに、庭木の販売でもしているのではという風景が目に入る。近づいてみれば、やはり「品種保存茶園」だった。

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日本において放任ではなく、摘採を目的とされずに、伸び伸びと育てられた茶樹を見る機会はほとんど無いだろう。
本来の姿を目にして、お茶の木はいいなと素直に思う。この伸びやかな姿を、よくあの樹形にされても、生きて人に「茶」をつくらせてくれていることに感動を覚える。

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おくひかり

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山の息吹

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藤かおり


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摩利支


大きな茶樹の間を歩きながら、嬉しさと申し訳なさともに「ありがとう」の言葉が口をついた。

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錦園店主 石部健太朗
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発酵茶ラボ開設と放棄樹園解消についての新聞記事

8月2日静岡新聞24面 昨日、お邪魔した発酵茶ラボに関しての記事と放棄樹園(お茶の放任茶園を含む、というよりも多くがお茶でしょう。)解消へとの記事が並んでいた。

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~記事名:発酵茶ラボ開設 新ブランド開発に期待 より抜粋~
「発酵茶ラボは県が1億円を投じて国内外から紅茶や烏龍茶、釜炒り茶の製造に必要な機会約30台を整備した。二番茶以降の茶を対象に発酵茶製造を推進し、生産者の経営安定化につなげるのが狙い」

~記事名:放棄樹園地解消へ より抜粋~
「2009年度から放棄園地解消解消を進めているが、茶など樹園地対策は取り組みが低調という。「茶価低迷や担い手の高齢化により、今後も放棄地が増える」として研究会を立ち上げた。


この二つの記事はほとんど同じ問題を掲げている。「茶価低迷」だ。換金作物である茶の価格が上がれば解決出来ることとも言えるが容易ではない。

茶価を上げるのあれば出口での価格を上げるしかない。つまり、高く売るということだ。
もちろん、現状流通しているお茶をいきなり、値段を高く売るわけにはいかない。それではサギにも等しい。価格には理由が必要だからだ。価格に見合ったお茶を生産し、それを適正価格で販売する。
バカのひとつ覚えのような「安くておいしい」というキーワードは最終的に日本茶生産の首を絞めていると気がつくべきだろう。
製造コストに見合わない安い茶を何千トン買おうと生産側の環境は向上しない。
高価格帯のお茶はどうやって伸ばすのか。その価格だから楽しめる味わいについてを試飲などを通じて伝えていくしかない。

先日、友人と話をしている際に「お茶についてのプレゼンをするという話しがあったのだけれどわからなくて、農家の方達は語る言葉をもっていないともいうし」という話題が出た。
にべも無い話だが私は「作っている側に語るべきものが無いのにプレゼンなんて出来ないでしょう。」と答えた。
作れば売れる時代が続き、その幻想の中にまだ人はいる。そんな時代はとうの昔に終わっているのだが。


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発酵茶等製造研究施設(発酵茶ラボ)開設

2012年8月1日(水)予てから聞いていた「発酵茶等製造研究施設(発酵茶ラボ)」の開設祈念イベントが開催された。

ちなみに発酵茶「等」とあるように、釜炒り製の緑茶の製造機械もある。

http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-130a/otyarabotoha.html

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簡単に言えば、生葉を持ち込み施設の利用料金を支払って製茶体験をする場所と考えればいいだろう。紅茶製法の生葉持込量最大40㎏、烏龍茶製法12㎏、釜炒り茶12㎏とパンフレットにあった。※機械のサイズを考えるともう少し上に幅が有りそう。

製茶機械は海外からのもの、国産のもの様々(国産のものの方が多い)だが、一番「これは!」と思ったのが写真の萎凋をコントロールして行おうとする部屋。もちろん、made in JAPAN。


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これまでに見た中で最も豪華なステンレスの萎凋棚が目を惹く。約60枚のカレイがこの部屋に納められ、温度・湿度を人工的にコントロールしながら萎凋を進めることを目的としている。

さて、ラボラトリーの名の通り、実験をする場所であって「商業的な生産」をするところではない。
興味を持った生産者がここで、蒸し製緑茶以外の紅茶及び烏龍茶製法の製茶を体験して真っ先に感じるのは「こんなに手間と時間が掛かるのか?」だろう。

私個人として、この施設の最も大きな意味は「蒸し製の緑茶を見直す。」ではないかと思っている。


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