フルーティーな香味の新品種茶「香駿(こうしゅん)」についてつらつらと。
香駿について~注目されている茶品種より抜粋~
「多収性で、耐寒性強く、製品は形状が細よれしやすく、香気に特徴のある品質秀逸な中生品種です。消費者嗜好の多様化にともない、新たな消費者の開拓に向きます。」。
2000年頃の新聞記事などでは「花の香りの茶」この秋デビューとあったり、「多収、さわやかな香気。銘柄化めざす産地に最適」と書かれています。
さて、香駿の品種登録は2000年(平成12年)。登録前には70-11-6と呼ばれていました。本山茶産地に香駿が植えられ始めて約7年が過ぎ、数は決して多いわけではありませんが改植時などに導入する生産者も増えてきました。
お客様と園地を回っていると、ほとんどの方が茶樹を見て「やぶきた」との違うことに気づかれます。 玉川にて
丸子にて
ツンツンと細長く、舟型になった親葉。密生して見えますが定植されてまだ4~6年の茶樹です。開帳型で芽数が多くなる品種とわかります。やぶきたと比べ、大きな葉にはなりません。
細よれの形状をつくりやすいけど、芯水も残り気味になることが少なくない。それゆえに火が入った時に甘酸っぱいような香気になることがある。
尺(大きさ)ないけれど、形状のあるお茶つくりをしてこそ活きる品種でしょう。
登録されて10年。本山に導入された香駿も成園になるにつれて、品種特長も安定してきました。催事などでお客さまにお試し頂ける機会も増え、お客様の感想も良好。女性には特に人気があります。(同じ生産家のつくった「山峡(やまかい)」と「香駿」を男性と女性に飲み比べて頂くと高い確率で、男性は「山峡」、女性は「香駿」をお選びになっているのが興味深いです。)
香駿はやぶきた、及びやぶきたをベースにしたブレンド茶とは明らかに異なる香味で楽しいお茶です。品種として違うのならこのぐらい個性があった方が嗜好品として選択肢のひとつになりえます。この個性を合組(ブレンド)でスポイルして、ただのおいしいお茶にしてしまうのは正直もったいない。
というわけで即行動するのが私の役目です。静岡伊勢丹 おいしいふるさと村にご協力を頂き「香駿」を前面に展開をしました。夏のギフトシーズンですのでちょっとシャレたロング缶入と使いやすさを意識したティーバックタイプもご用意しました。なおティーバックの中身はリーフタイプとまったく同じものを使用しています。もちろん、築地勝美さんの単品「築地香駿」もございます。
毎週火曜日夕方の呈茶販売も来週から復活。7月中旬には8日間の催事を行います。お近くにおいでの際はぜひお立ち寄りくださいませ。
日本茶専門店 錦園石部商店
錦園店主 石部健太朗
日本茶インストラクター(02-0362)