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日本茶インストラクター Nishikien owner's weblog 


日本茶インストラクターの店主によるお茶や茶器などにまつわる事柄。

2007年 築地東頭 販売開始。

最高峰の日本茶「築地東頭」。2007年も無事に摘採終了。本日より販売を開始いたしました。

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この形状、ご覧ください。香気、味わい、手ざわりをインターネットではお伝えできないのが残念です。

栽培から製造、その全てをシンプルに、ただ当たり前に。
中庸を求めず、高みをめざしたお茶が今年も手元にある嬉しさを感じています。

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みんながおいしいお茶にめぐりあえますように。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。


日本茶インストラクター(02-0362)
錦園店主 石部健太朗

茶器製作の打ち合わせへ。職人版 てのひら急須

ともかくも忙しくしております錦園店主。ナントカ暇無しの状況であることは察して余りあるといえます。

さて、昨日は常滑の窯元へ「てのひら急須」の職人製作版の打ち合わせに行ってまいりました。今回の茶器製作は、錦園の基本コンセプトにそってさえいれば意匠や形などは自由で構いませんといったもの。つまりは一品モノでラインナップが構成されることになります。デビューは2007年OZONE夏の大茶会。

試作などの一部をご覧ください。
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てのひら急須 宝生庵 製作:磯部輝之
茶舟の内側に施されたロレットと印花も必見。
今回は8アイテムを予定しています。

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てのひら急須 青峰(試作) 製作:都築青峰
蝶の意匠が入った空気穴も可愛らしい品になっています。
今回は6~7アイテムを予定。

もちろん、てのひら急須のほかにも新作茶器をご用意します。ご期待ください。
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2007年産新茶も着々と仕上げ作業が完了。パッケージのリニューアルなどを経て皆様にお目にかかれることでしょう。ご期待ください。



日本茶インストラクター(02-0362)
錦園店主 石部健太朗

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山の茶園、築地東頭 園地のやっかいな動物?

築地東頭の園地に到着すると目に入るのが園地をぐるりと取り囲む青いネット。
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画像左側に見えるものがそのネットです。風除けのネットにしては低い。人も暮らさず、道路もないのですから立ち入り禁止の意味もない。(この園地には電気もガスも水道もありません。)

実はその目的は「カモシカ(二ホンカモシカ)除け」なのです。「築地東頭」は食害する生物が天然記念物。こんなところも話題にはつきません。

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さて、このネット昨年敷設し、これで完璧と思った今シーズンだったのですが隙間から入り込まれて親葉を食べられてしまったところが3箇所ありました。画像はその被害地。親葉がなく新芽ばかりが目立ちます。

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こちらはその拡大画像。いかにも齧られた様子がわかります。親葉の無い部分を見て寒さにやられてしまったのか?とも思いましたがどうにも様子がおかしい。調べてみると親葉の無い茶樹付近のネットには潜り込めるような隙間があり、犯人はやっぱりカモシカと判明。

最高峰の日本茶を食べてしまうとはなんともグルメなカモシカです。すでにネットの隙間はふさがれました。来シーズンはどうなりますか?なんとなく、またカモシカに食べられてしまっているところがありそうな予感もします。動物と人間の知恵比べ、結果はまた来年お伝え出来ることでしょう。


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錦園店主 石部健太朗

山の茶園、築地東頭 園地のやっかいな動物?

築地東頭の園地は静岡市の山間、標高800mの地にあります。取材協力やお客様に茶産地をご覧頂いたり、年に何度となく茶業者以外の方もご案内しております。さて、ここに暮らしている生き物で注意して頂きたいのは、山小屋近くの樹に暮らす
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このカラス君。(さんかもしれません。性別不明)

園主の築地さんいわく「玉川で一番頭のいいカラスだ。」とのこと。
どんなイタズラをするのかといえば

?給料袋ドロボウ。
山での作業は前払い。貰った賃金を上着のポケットにいれて柱木に掛けておいたら人が居ない間に泥棒。中身がお気に召さなかったようで、お札を辺りに散らかして飛び去ってしまった。

?お菓子ドロボウ。
お茶摘みさんの休憩時のおやつにと用意しておいたお菓子の箱。箱に掛かった紐をちゃんと解いてからつまみ食い。ホントは羽の下に手が生えているのではなかろうか?と思うような器用さです。

?おにぎりドロボウ。
休憩時の食事にとおにぎりを用意。さすがに度重なるイタズラに人間も注意をして箱の底の方へおにぎりをしまい、上には袋やら布やらをかぶせて対処。ところがものの見事に、おにぎりを3個盗られてしまいました。あまりの手際のよさに犯人は当初サルと思われていたくらいです。

?このほか、飴玉はきれいに包みをあけて中身だけを食べています。築地さんのいうとおり賢さはかなりなものです。
※ちなみに?~?は今シーズンの出来事でした。

と、いうわけでこの茶園に足を運ばれる際は貴重品や食料は必ず置きっぱなしにしないでくださいね。次の被害者はあなたかも知れませんので。


日本茶インストラクター(02-0362)
錦園店主 石部健太朗

築地東頭 展開する茶葉 横沢共同にて

築地東頭を製茶している合間にちょっと実験。
乾燥を終えた茶から形状のよいものをピックアップして熱湯を注いだ時の様子。
手揉み茶ではなく、スタンダードな60k機による機械で作られたお茶であることを忘れてしまいそうです。


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部位としては一芯二葉で摘んだ二葉目に当たる葉っぱです。

お茶を破砕せずに作りあげるということは茶葉それぞれにある香味の階層構造を壊さないことであり、煎を重ねるごとに変化する味わいを楽しめることに繋がります。つまり、形状のしっかりしたお茶は出がらしになりにくく楽しめる回数が長くなるのです。


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錦園店主 石部健太朗

園地をまわっていますと。

時折こんな風景に出逢います。

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たけのこ ですね。
茶刈り時に歓迎されないのは確かです。

5月中旬 静岡市山間地にて撮影。


日本茶インストラクター(02-0362)
錦園店主 石部健太朗

2007年 静岡新茶 最高峰の日本茶 「築地東頭」 5月30日販売開始。

2007年築地東頭の摘採製造もあと僅かで終了。園地には新芽が摘みとられたお茶の樹が目立つようになりました。
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画面からはちょっとわかりにくいですが、緑が濃く見えるのが摘採を終了した部分。(新芽がなくなり親葉の緑が見えるのです。)
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天候にも恵まれ、摘採開始5日目にしてさらに色濃くなってきました。健康的なこの茶樹、新芽。そしてなによりも親葉の力強さをごらんください。
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「茶園で理想的な生葉を生み出し、卓越した技術でお茶を製造する。」
工芸作物としての「茶」の理想形が今、目の前にあります。

製造技術を誇るでもなく、
「お茶の良し悪しは畑でほぼ10割決まっているようなもの。当たり前のことをただ当たり前にしているだけ。」
と語る生産者の言葉はとても心に響きます。

良茶生産は実にシンプルなのだと改めて教えてくれる場所がここにあります。
当たり前の事を当たり前にすることの難しさ。
シンプルであるがゆえに誤魔化しが出来ない厳しさ。

このお茶に秘められた言葉を感じとっていただければ、お茶に関わるものとしてそれ以上の喜びは無いといっても過言ではありません。

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2007年 築地東頭は 2007年5月30日より販売開始いたします。


ご注文は電話、FAX、メールにて。また同日より、静岡伊勢丹おいしいふるさと村でもお求めになれます。


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錦園店主 石部健太朗

2007年 静岡の茶園にて

新茶シーズンもあとわずかとなりました。4月1日から新茶の販売を始め、ふと我にかえるともうそろそろひと休みしてみたいような気分がしないではありません。なんていいながら、本日も山の茶園、茶工場にいそいそと出かけてしまうことでしょう。

さて、築地東頭の園にて今シーズン見つかった珍しい画像をご紹介。
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まるで緑のバラのようです。でもこれは花ではなくお茶の新芽が変化したものです。(何かの拍子に成長点が失われてしまったのかも?)

茶園を見てまわっていると発見が多くあります。モノだけではなく、それまで気がつかなかったものがある日突然に見えてきたり。
漠然とではなく、考えて見ることの大切さを感じます。これはお茶だけに限らずすべての事に通じるのでしょうね。


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錦園店主 石部健太朗

一〇八夜の手摘み新茶 築地東頭 摘採本番

2007年5月21日、「築地東頭」摘採2日目。薄っすらと雲が広がる空。気温もさほど上がらず、摘採には最高の条件です。陽射しが強く、気温が上がってしまうと摘みとられた生葉が痛みやすいのです。鮮度のいい生葉、さらなる良茶の出来上がりが期待されます。
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初日の出来から摘みとりについての指導が入ります。
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初日の芽で作られた荒茶をお茶摘みさんたちに見せてから、実際に園地の穂をとり摘採の芽について園主からの指導。出来上がった荒茶をちゃんと見せるこの方法をとっている生産家は極まれです。

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実は21日は冊子の取材日でした。摘採~製造の様子についての取材協力させていただきました。(既刊の冊子を拝見しましたがとても綺麗なもので、完成が楽しみです。)
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お茶摘みさんのびくもひと休み。手摘みらしい風景のひとコマです。

3時頃に山の茶園から下り、横沢共同へ。午前7時頃から摘採開始。3時の時点で約110kg。本日は全部で150kg摘採ですから3ホイロ(60k機で3回分)の製茶予定です。

取材は摘採から製造の様子へ。
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撮影機材も本格的。ライターさんが築地さんにお話しを聞きながらメモをとっています。20070521DSC_1471.jpg
蒸し機のそばで蒸かしの様子を香りからチェックする築地さん。2日目、ひとホイロ目。バッチリです。
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製造も進み、ほぼ最終の精揉工程にて。工場長の豊さんがお茶の説明をして下さっています。精揉機でお茶がすぅ~~っと伸びてくる姿はまるで魔法のようで取材陣もびっくりしています。
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工場長のてのひらにあるひとホイロ目の築地東頭。これでもまだ精揉工程の途中。お茶はさらに大きく長くなります。

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築地さんと奥さん、工場長の豊さんが3人で精揉機の前で今日のお茶の話をしています。なんかとても心が熱くなる光景でした。
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荒茶完成間際の「築地東頭」。この美しさ。(このお茶がスタンダードな60k機で生み出されていることの凄さ。35k機でなくともこんなに綺麗なお茶が出来るのです。)


製品に対する厳しさと優しさ、自然と人間、お茶を育て作る人、その姿を伝えようとしてくれる人、そしてそのお茶を楽しんでくださる人たち。そんな多くの人たちが綾なす紋様の中にいられることにただただ感謝。


日本茶インストラクター(02-0362)
錦園店主 石部健太朗

一〇八夜の手摘み新茶 築地東頭 摘採開始

2007年新茶シーズンもあとわずか。錦園が取り扱わせて頂いている手摘み新茶中、最高峰の日本茶「築地東頭」の摘採がいよいよ始まりました。
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ぱんっと張った茶葉。健やかに育った様子が摘採後の様子からもわかります。

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標高800mの山間に広がる自然仕立て茶園。年一作、手摘み。
天地人が織りなす美しいタペストリー。

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この風景、この土地、そしてこのお茶に関わる人たちの姿。
未来へ繋げていくお手伝いが出来ればと切に願います。


日本茶インストラクター(02-0362)
錦園店主 石部健太朗



静岡市標高800mの新茶 最高峰の日本茶「築地東頭」

いよいよ築地東頭の摘採が始まります。本年度摘採開始は5月20日。本日(5月19日)摘採前の茶園に行ってきました。ご覧ください、この素晴らしい新芽。
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天をめざすような自然仕立て。
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形骸ではない最高峰の日本茶の姿。「築地東頭」は品評会などではなく、一般の人たちに楽しんで頂く為の商品としての茶。値段だけを見れば高価だと思われる方もいらっしゃるでしょうが、ここでされている仕事、出来上がってくる品を目の当たりにすれば決して「高価」などとはいえないでしょう。
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この健康的で、透明感さえ感じるような茎。大げさではなくお茶の形をした宝石のようです。
さあ、いよいよ摘採が始まります。今年もこのお茶に触れられることに感謝。


日本茶インストラクター(02-0362)
錦園店主 石部健太朗

てのひら急須のしおり

てのひら急須の出荷が出来るようになりました。
同封のしおりにて楽しみ方などをご紹介させていただいております。
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てのひら急須は掌(てのひら)にてお茶を体感する新しい器です。初夏に向かう季節、てのひら急須で冷茶を楽しんでみられてはいかがでしょうか?

<てのひら急須 使い方の一例>

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?急須に茶葉をいれます。量は5~8gが目安。


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?80度程度のお湯を茶葉が浸る程度まで注ぎます。

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?大き目の氷をいれ、冷水を注ぎます。

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?茶舟に急須を置き、5~10分程度待ちます。
※事前に茶舟を冷凍庫にて2時間ほど冷やしておくか、急須のまわりに氷をいれるなどするとさらによいでしょう。

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?急須を手に取り、手のひらから感じられる涼を楽しみながら、湯のみにお茶を注ぎ分けます。お茶をつぐ直前に湯のみへ氷をいれておくのもお奨めです。

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?冷たくておいしいお茶をお楽しみください。二煎目はお湯を使用せず、冷水を注ぎ5~10分。使用するお茶の質にもよりますが、三煎程度までお楽しみ頂けます。


上質なお茶を使用した冷茶の味わいはまた格別です。
特に「築地東頭」「築地山峡」「築地香駿」の冷茶はお茶を越えた味わいといってもよいでしょう。てのひら急須と上質なお茶の組み合わせをぜひお楽しみください。



日本茶インストラクター(02-0362)
錦園店主 石部健太朗

静岡新茶2007年 いよいよ一〇八夜の茶

いよいよ週末には「築地東頭」の摘採開始。新茶シーズンも終盤の山場です。
下記画像は5月10日にお客様と築地東頭の園地に登った時の様子。
初めて見る標高800mの自然仕立て茶園は茶畑のイメージを変えるものだったようです。
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さて、良質な新茶が次々とご用意が出来ております。繁忙期ゆえにインターネットへの掲載が間に合わず申し訳ありまません。いずれも僅かな量しかないお茶ばかりですが今年一年大切に扱わせていただきます。

発送が可能となりましたお茶をいくつかご紹介させていただきます。

?築地山峡 ¥2,100/50g 
今シーズン手摘み新茶のベストバイです。築地さんの山峡らしい香気と味わい。販売を惜しむ気分になってしまうような出来栄えです。

?築地香駿 ¥2,310/50g
青さの残るさわやかな果実のような香り。桃を想わせる香気とおっしゃる方も。上質な冷茶にもバッチリです。

?望月庄司のさくらかおり ¥1,260/50g
桜を想わせるような香気も良好。太い軸(茎)による甘みある味わい。本年度は切り生えの園地が約半分を占めることになったので収量はやや減。昨年より約6kg少ない総生産量34kg。

?日本平やぶきた 手摘み ¥1,575/50g
?日本平やぶきた ハサミ ¥1,260/80g
やぶきた生まれ故郷の土地のお茶。丁寧に手摘みされたやぶきたと、「適期摘採」されたハサミのやぶきた。実はこちらのやぶきた/ハサミ^¥1260/80g は今シーズンのベストバイ。やぶきたの素直なおいしさが楽しめる逸品となりました。

?手摘み天竜茶 天竜小嶋 ¥1,260/50g
天竜の在来を含む手摘みのお茶。35k機により作られるこのお茶はまさに稀少。懐かしさとおいしさ。表示は出来ませんが無農薬、有機の年一作のお茶です。

?静岡茶 花かおり ¥1050/50g
静岡産の印雑系在来。花のような香りがあり日本茶のイメージを覆すお茶になりました。インターネットには今回初登場。(静岡伊勢丹にて同価格にて販売開始しました。)

まだまだ、登場を控えている個性豊かなお茶があります。ご期待ください。
?~?までのお茶は出荷が可能です。お電話、FAX,メールなどでお気軽にご注文ください。

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茶匠 望月庄司のさくらかおり 新芽と荒茶。
針のような形状。ぺたりとつぶれたやわらかな茎。園地の様子がわかるこの出来栄えです。
生産量が昨年と比べて少ないので、さくらの季節を待たずに売り切れが心配。ご容赦のほどを。


日本茶インストラクター(02-0362)
錦園店主 石部健太朗



静岡新茶 築地香駿製造

2007年5月8日、夕方に再び築地香駿の園地へ。
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新芽はすべて摘採終了。まだ芽が小さな時から園地にお邪魔していましたのでなんとなく感慨深いような。

カメラをクルマに積み、キーをひねって、エンジン始動。園地を後にして、一気に山道を駆け上ります。走り出してしまえば、先ほどのセンチメンタルな気分などはどこへやら。なぜなら、今年の築地香駿が蒸される瞬間に対面できる期待でいっぱいだからです。忘れやすく、おおらかな性質をいかんなく発揮する石部です。

横沢共同に到着するなり、築地さん(園主の築地さんは横沢共同の組合長です。)が「おーい、今ひとつ目を蒸かしてる。香りみてこう。」と声を掛けてくださいました。
いそいそと工場内履きに履き替えて、蒸し器のそばへ。
蒸し器のまわりはこれまで体感したなかで一番強い、甘い香り。
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蒸しの様子。
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蒸し直後、冷却機前の茶葉。
※上記2枚の画像をご覧になって、気がつくことがある人はさすがです。独自の製茶理論を垣間見られる画像なのです。
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生葉管理室にて。摘採時間の違いや摘採の精度を拝見させていただいているところです。蒸されるまでの時間に生葉の様子は刻々と変わります。バッチ式で作られるお茶は一回、一回の製造結果がそれぞれに異なります。

「茶工場でお茶を見る。」というのは生葉が蒸されてから、最後の乾燥機を出るまでその全ての姿を見、そのお茶が出来るまでの各工程をイメージしながら出来た荒茶を拝見茶碗で審査することだと考えています。荒茶を拝見し、そこで起きていることの全てには必ずワケがあります。
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蒸しの後、葉打ち、粗揉、揉捻の工程を経て、中揉へ。画像は工場長の豊さんが中揉機からの出し時をチェックしているところです。手の感覚で、秒単位で判断します。お茶が工芸作物といわれるのはこんなところからも知ることが出来ます。茶生産者は農家というよりも「職人」の世界に生きている人たちなのです。
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中揉から出されたお茶は、精揉の工程へ。普通蒸しの形状のあるお茶が実にドラスティックに姿を変える時です。
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精揉機前の築地さんと豊さん。
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精揉機の荷重が抜かれ、お茶がお茶で揉まれ針のように伸びる姿は感動的です。
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乾燥機へ入る直前の築地香駿。

朝7時の摘採開始。最後のホイロ(※一回のバッチをホイロと数えます。)が乾燥機を出たのは日付が変わった午前1時過ぎでした。ハードに思われるかも知れませんが、生産シーズンの日常的な光景。茶産地では約2週間、このような日々が続きます。

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茶農家でもない私が一年の茶園での丹精が実を結ぶ瞬間に立ち会えることに感謝。そしてそのお茶を扱っていける幸運に感謝です。

まだまだ、魅力的なお茶が静岡にはあります。そのお茶の味や香りだけでなく、育つ環境、育てる人々などその全てを含めて。

自らの与えられた限られた時間のなかで、どこまでそれをお伝えできるかが私の仕事です。


日本茶インストラクター(02-0362)
錦園店主 石部健太朗

静岡新茶 続々と 築地香駿摘みとり。

いよいよ期待の「築地j香駿」の摘採が始まりました。
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20名弱のお茶摘みさんが午前7時頃から摘みとりにはいりました。畝・定植5年目、自然仕立て・定植4年目の茶園。(生葉で約150kg程度になるのではと思われます。)畝間を歩いているのは園主の築地さん。
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手で摘まれた茶葉は集められて、生葉置き場へ運ばれます。
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まるでサラダのようでこのまま食べてしまいたい衝動に駆られる方もいるのではないでしょうか?
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生葉置き場は香駿独特の甘い香りでいっぱいでした。

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さて、香駿について。香駿はとても樹勢のいい品種で、新芽からもその様子が見て取れます。摘採適期の新芽だというのに新芽からすでに脇芽が出ています。
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親葉は細長い舟型。左はやぶきた。右が香駿。
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新芽の比較。左が香駿。右がやぶきた。香駿はやぶきたに比べて小さめな葉で、茎は太目。前述のやわらかな脇芽も確認できます。

本日の夕方から横沢共同にて製造開始。今から石部も工場へ向かいます。その様子はまた次のブログにて。


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)錦園店主 石部健太朗

静岡新茶 続々と 山峡

この山道は「築地山峡(つきじやまかい)」へ到る道です。杉の植林がされている中を登っていくのですが、これが結構大変な道のり。
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不思議な鳥の声が聞こえてきたり、ニホンカモシカに遭遇したこともあります。そんな山道を登り、林を抜けると、芽重型に仕立てられた茶園が視界に広がります。
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2007年5月4日撮影 静岡市葵区(玉川)
透明感のある軸(茎)、緑色の中にグレーを感じさせる親葉。健康的な園地での様子からも良質なお茶になるであろうことがわかります。蒼さを感じる香気、切れ味のある旨み。特に冷茶にしたときの味わいはお茶のそれを超えています。
今年は5月3日より摘採が開始されました。近日中にはインターネット上にてもご紹介が出来ることでしょう。

品種茶「山峡(やまかい)」について
昭和42年品種登録。静岡茶業試験場場内にて「やぶきた」の自然交雑実生から選抜。7000系統。※この7000系には面白いお茶があります。静7132(錦園では「さくらかおり」として販売中。)ちなみに静7111は、茶品種「くらさわ」。くらさわは「香駿」の父系品種。
やぶきたより3日程度早い品種なので、山峡を飲まれると「あ、新茶みたい。」と思われる方も少なくありません。


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錦園店主 石部健太朗



静岡新茶 続々と  香駿(こうしゅん)

期待の品種茶「香駿(こうしゅん)」が届き始めました。特長ある香味で錦園石部が注目している品種のひとつです。

茶園での様子も実に個性的です。
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※画像が大きいので拡大してごらんください。

中心にあるのは園地の境界線に植えられている在来。それを境に右が「やぶきた」左が「香駿」になります。葉の青さが明らかに違っているのがわかります。

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こちらは自然仕立ての香駿(定植4年目)。自然仕立ての茶園や幼木園に見慣れている人は葉っぱが小ぶりな品種であることがわかります。生産家のお話しでは病気にも強く、樹勢もいいとのこと。(画像は2007年5月4日 築地さんの茶園にて撮影)

澄んだ香気に大きな特長がありますから、深蒸しよりも普通蒸しの方がその良さを活かせるでしょうね。生産量も多く、静岡市だけではなく山間地茶業を救う品種になるのではと思えます。

ちなみに、この品種はブレンド材料にも最適。形状モノのやぶきたなどに合する(ブレンドする)と華やかな奥行きある味わいとなります。

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これは天竜産 手摘みの香駿です。


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錦園店主 石部健太朗

八十八夜摘み新茶 日本平 静岡伊勢丹 おいしいふるさと村へ

ご案内をさせていただきました「八十八夜摘み新茶 日本平」を静岡伊勢丹B1F おいしいふるさと村にて販売開始いたしました。

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この新茶、八十八夜摘みにてお茶を手配をさせていただきましたが、それは別にしても希少なお茶になっています。

?「やぶきた」という品種が生まれた環境に近い場所の産であること。
?ハサミ(可搬型摘採機)を使用した「普通蒸しの形状モノ」であること。日本平付近は蒸し度が深いもしくは細かな形状のお茶が比較的多く作られています。

茶品種「やぶきた」は土地への順応性が高いとされ全国で栽培されていますが、やはり生まれ故郷に近い土地柄においてトラッドな製法である普通蒸しによって製造されているものを知るというのは「やぶきた」の本質について考えることに他なりません。お茶に興味をお持ちの方には是非一度お試しいただきたいひと品となりました。

<商品名>
八十八夜摘み新茶 やぶきた 生まれ故郷の茶 日本平(にほんだいら)
<価格>
¥1260/80g
5月4日より販売予定。

<販売までのスケジュール>
5月2日 八十八夜 ・・・摘採製造
5月3日        ・・・仕上げ~袋詰め~商品完成
5月4日 静岡伊勢丹B1F おいしいふるさと村 店頭へ
※作業の進行によっては5月3日夕方に店頭へご用意出来る場合もございます。


このお茶は静岡伊勢丹限定販売となります。錦園店頭、およびインターネット、通販ではお求めになれません。ご希望のお客様は静岡伊勢丹おいしいふるさと村までお問い合わせくださいますようお願い致します。

<お問い合わせ先>
「静岡伊勢丹」B1F「おいしいふるさと村」
〒420-0031
静岡県静岡市葵区呉服町1-7
TEL:054-251-2211
営業時間:午前10時~午後7時30



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錦園店主 石部健太朗



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摘採の様子(可搬型摘採機)

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オマケ
2007年5月2日(八十八夜)のやぶきた原樹

八十八夜摘み 新茶 日本平 摘み中。

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青空のもと、八十八夜摘み新茶の摘採が始まりました。

昨年の八十八夜は雨混じりの天候でしたが今年は快晴。

これでひと安心。
やぶきた故郷の八十八夜摘み新茶にご期待ください。

2007年新茶の季節 静岡 八十八夜

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摘み取りまでに時間が出来たので、周囲の茶園を見て回っています。

爽やかな風が吹いています。刈り取られた園とこれから刈り取られる園の色で、緑色のしま模様の風景。

あちらこちらで生産家が摘みとりの準備をしているのが見えます。

忙中閑の中、静岡にいることを実感する時間です。

2007年静岡新茶 八十八夜摘み新茶企画「日本平」

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今日は立春から数えて88日目の八十八夜。今日のお茶は縁起物とされます。
そんな八十八夜ジャストの新茶が静岡伊勢丹ふるさと村にてお求めいただけます。

天候に恵まれなければ不可能な、かなりプレッシャーのある企画でした。現実に5月1日は「雨」。これはご用意出来ないか?と内心、かなりドキドキしていました。(石部は結構、小心者なのです。)

そして、今。夜には激しく降った雨もあがり、青空が見えます。
もうしばらくしたら摘採の現場へその様子を撮影に向かいます。

ご用意する八十八夜摘み新茶は、やぶきた発祥地の茶 日本平。

伊勢丹通信にての詳細は下記より。
http://www.isetan.co.jp/icm2/jsp/store/shizuoka/index.jsp

<商品名>
八十八夜摘み新茶 やぶきた 生まれ故郷の茶 日本平(にほんだいら)
<価格>
¥1260/80g
5月4日より販売予定。

<販売までのスケジュール>
5月2日 八十八夜 ・・・摘採製造
5月3日        ・・・仕上げ~袋詰め~商品完成
5月4日 静岡伊勢丹B1F おいしいふるさと村 店頭へ
※作業の進行によっては5月3日夕方に店頭へご用意出来る場合もございます。


このお茶は静岡伊勢丹限定販売となります。錦園店頭、およびインターネット、通販ではお求めになれません。ご希望のお客様は静岡伊勢丹おいしいふるさと村までお問い合わせくださいますようお願い致します。

<お問い合わせ先>
「静岡伊勢丹」B1F「おいしいふるさと村」
〒420-0031
静岡県静岡市葵区呉服町1-7
TEL:054-251-2211
営業時間:午前10時~午後7時30


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日本茶インストラクター(02-0362)
錦園店主石部健太朗

新茶の季節 お茶の郷 静岡 NEW GENERATION

新茶シーズンが最盛期をむかえる5月です。

現在、お付き合いを頂いております日本平の生産家とご家族。お茶を揉むのは生産家としては若手の息子さんです。(若手といっても私より2つお兄さんです。)
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小高かな丘のような地形、眼下に見える街並み。日本平らしい風景です。日本平は優良品種「やぶきた」の生まれ故郷。おだやかな土地柄は、多くの人の嗜好を満足させるやぶきたの味わいを想像させます。

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風が渡る茶園、青く広い空。山間地茶園とは違ったさわやかな風景。(撮影は4月29日)前日、遠くの山では雪が降ったようで尾根が白くなっていました。

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茶刈りはご両親が担当。茶刈りを拝見しましたが摘採は量よりも質をめざしたかなり攻めた内容でした。生葉からも良茶が期待されます。尚、品種は「やぶきた」です。

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偶然なのですが、私がお茶屋を始めたのと彼が生産農家としてお茶に携わり始めたのは、ちょうど10年前。生産者と販売者と立場は異なれど茶を生業としたのは時を同じくしています。

静岡は生産家の高齢化が深刻な問題となっていますが良茶生産に頑張る生産家もいます。ちいさな茶専門店錦園はちいさいが故の小回りのよさを最大限に発揮して産地を盛り上げていきます。

2007年県内で最も早い露地新茶を扱い4月1日には県内新茶販売を開始。そして5月にはもう1弾の仕掛けを打ちます。詳細は明日の新聞折込「伊勢丹通信」にご注目ください。

伊勢丹通信は伊勢丹ホームページよりもご覧になれます。
http://www.isetan.co.jp/icm2/jsp/store/shizuoka/index.jsp

※5月3日号に掲載されています。

さあ、新茶シーズン最盛期。一〇八夜の手摘み新茶「築地東頭」まで手綱を緩めることなく一気に疾走です。良茶生産祈願!!!


日本茶インストラクター(02-0362)
錦園店主 石部健太朗

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