お茶をいれるお湯の温度

「よい茶は冷ましたお湯でいれましょう。」
これは間違いではありませんが絶対でもありません。どんな温度であれ、使うお湯の温度を固定してしまうのは、お茶の楽しさを半減させる事です。積極的に使うお湯の温度を変化させてみた方が、お茶の豊かな表情を見る事が出来ます。甘く旨味が強いだけが日本茶の美味しさではないからです。
では何を目安にするのか?ヒントのひとつは「茶葉の開き具合」です。湯温の高低に関わらず「茶葉がふわりと緩んだ時」に手早くいれます。湯温が高ければ早く緩みますし、低ければゆっくりと弛んで来ます。湯温に縛られず、茶葉の様子でお茶をいれる事が出来るようになったら、濃さは「茶葉の量」で調整する。これが「お茶の味、香りをコントロールしていれる事」の大きなヒントです。

上の画像は針のようだったお茶がふわりと緩んだ状態です。形だけではなく、色合いが明るい緑を帯びつつあることもポイントです。

次はお茶をいれた後の様子です。まだ開き切ってはいない状態です。煎を重ねるごとに葉が開いていくようにします。お湯の温度が低い程、茶葉はゆっくりと開くので、美味しくはいるタイミングのゾーンが広くなっていきます。(つまり、湯温が高いほどピンポイントになって難しくなる。)
お湯の温度、量、時間を変化させながら時計の針を逆に回すようにイメージしながらお茶をいれてみましょう。