日本茶インストラクター Nishikien owner's weblog 


日本茶インストラクターの店主によるお茶や茶器などにまつわる事柄。

日本に来て良かった


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2016年5月16日。
青い目の彼に山の茶工場で一杯の茶をいれる。気負いもなく出来る事を重ねて自然に。

茶を口にした彼は笑顔になり

「日本に来て良かった!」と言った。
「美味しい」でも「どうやっていれたのか?」でもない。
「日本に来て良かった!」だった。

そう、日本茶とはそういうものなのだ。

最良を目指す事が「常」であること。

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縁のある人達が見えない糸に誘われるように、茶の事を伝えている姿をテレビで見ました。行間を読めない輩がしたり顔で好き勝手な事を言うだろうが先ずはよしとしましょう。
商売ではなく、日曜日のゴールデン枠全国放送に出ているのがただただ嬉しい時間でした。恩人に観せてやりたかった。そして、話しをしたかった。 いい話しも悪い話しも笑いながら。

さて、補足を少々

「芽、葉、茎の硬さがが揃う日」は最高品質の茶を作る為の「適期」はそれほどまでにピンポイントという事を意味しています。

テレビ的な分かりやすさ故に伝わりにくい部分がありましたが、つまり、良茶生産は「適期摘採」であり「原葉ありき」なのだという点が先ずは大事なのです。
一芯二葉+三葉のみの摘採はその為に行います。

言葉にするのは簡単ですが、その適期に向けて自然環境に左右されながら一年、いや、数年を掛けて挑んでいくのが「良茶」生産です。そして、それを「特別な事」とせず、「当たり前の事」として向きあう。

中々にテレビでは伝わり難い部分なのですが、それが出来た後に、正しく製茶を行った先に、胸を張って「最高峰の茶」と言葉に出来る茶が生まれます。

そして、相場に左右される事なく、品質に対して値をつける製造と販売が成されているからこそ可能になっています。

作る者も、売る者も、買う者も、最良を目指す事が「常」であること。
それが茶の価値として現れるのです。

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標高800mの自然仕立て茶園 築地東頭

静岡市の奥山、標高800mの自然仕立て茶園。お茶摘みさんの話し声と、茶を摘む音が「ポツ、ポツ、ポツ」と空間に漂う。日本の原風景のひとつなのだろう。

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およそ10年前、「いつかこの茶園のお茶を広く伝えたいですね。」と友人と話した。彼の尽力、続ける心と力の甲斐があってそれが現実になりそうだ。天候にも恵まれ最高の瞬間。

「特別な事は何もしていない。当たり前なことをしている。ひとつも手を抜かないだけだ。」

園主がかつて茶工場の事務所で笑いながら話した言葉だった。この地の茶と出会い、この茶を介して人が人と会っていく。茶業者として関われる事にただ感謝の気持ちになる。

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日本茶に触れ、この土地の茶に縁が出来た方へ分け隔てなく想う気持ちを文字とするなら。
「幸多かれ。日本茶は本当に面白い。知るほどにあなたの人生を豊かにするでしょう。」

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特別ではない私の日常

茶工場から大雨の山道を駅へ向かった昨夜。後部座席で話す金髪の若者。友人のお店のお客様とのこと。お茶が好きで、下手な日本人よりも流暢に日本語を話し、折り目正しい。

彼の視点から見た日本茶は確かにその通りだった。日本茶を学ぼうと勉強し、探したけれど、同じようなお茶ばかりでつまらないと残念に思っていた。そんな折に友人のお店を訪れて日本茶の楽しさに触れたのだという。

友人曰く、会計を済ませて外に出た彼は店内に向かって再度お辞儀をして帰っていったそうだ。これはお茶が美味しかっただけではなかったのだろう。日本語と日本茶について学び、美味しい日本茶を探したのは三年間に及んだというのだから。

何故、日本茶は個性が無くつまらないとされるのか。
そんなコトは無いと反論する茶業関係者は多いだろう。単細胞な輩はガイジンにはわからないよと言うのかも知れない。

実際に青い目の彼の言うとおりなのだ。大量に出回る日本茶は確かにつまらない。業者が違うとどんなに息巻いたところで大差はない。何故ならそのように作られる歴史を歩んで来たからだ。

標高800mの園地へ訪れ、茶の生産、製造を見る目、質問の声は常に真摯だ。そして何より、日本ならではの香味溢れる美しいお茶に触れた彼の顔はずっと笑顔だった。

雨の落ちる駅のロータリー。終電が出る僅か4分前に到着。「挨拶はいいから急ぎな。」と声を掛けて送り出す。

走り去る姿をミラーで捉えて去来する言葉。

「良かったな。友人の店に行けて。そして、日本茶に出会えて。機会があったら又、一緒においで。」

クラッチを踏み込んで、ギヤをローに。
特別ではない私の日常に感謝。

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2013年5月24日 最高峰の日本茶築地東頭摘採始まる。

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2013年5月24日、最高峰の日本茶「築地東頭」の摘採製造が始まりました。
静岡の奥山、標高800m越えの山間地にて自然仕立てで栽培される至高の茶です。

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さて、製茶における蒸熱は端的に言えば、蒸けていないのはダメですが、蒸け過ぎるのもダメで、煮てしまうのもダメなのです。
蒸し製法の日本茶の難しさはやはり「蒸熱工程」に集約されます。
最高の良茶を目指して畑で丹精をし、面から点の精度で製茶を行う。

昨夜遅くに茶工場で生産家 築地勝美さんが語った
「100点のお茶は作れない。でも、95点のお茶が出来るように努力や技術を尽くすことは出来る。」
のコトバがエコーのように響き、心から離れません。
そう、日本茶はまだまだ美味しくなれるのです。

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日本茶専門店 錦園石部商店 http://www.nishikien.com

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