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日本茶インストラクター Nishikien owner's weblog 


日本茶インストラクターの店主によるお茶や茶器などにまつわる事柄。

品種茶の役割。新品種茶「香駿(こうしゅん)」

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来歴:くらさわ×かなやみどり
この一文を読んで、「香駿(こうしゅん)」だね。「70-11-6」だったっけ?などと言える人はお茶に詳しい方でしょう。

品種茶を扱う私にとって「香駿」そして「蒼風」の存在は非常に大きなものです。

香駿の試飲などで行われたアンケートにある「やぶきたと明らかに違う。」の感想こそが意味を持ちます。

最初から花や果実の茶とは異なる広がるタイプの香味がある事は、山峡やおくひかりのような凝縮された味が香りを生み出すような香味にも興味を持っていただける切っ掛けともなりました。

最も生産量が多く馴染みがある「やぶきた」を中心として針の振れ幅が大きい事。それは選択肢が2つではなく3つとなる事です。

ワインの最初に飲んだ時のアタックが強いタイプと凝縮感がありアフターのあるタイプの比較にも似ています。

「静-印雑131」や「ふじかおり」も同様に扱えるのですが、生産量が少な過ぎる事や品質の差が大きい事、いささか苦渋味が大きく日本茶としての紹介には二の足を踏む部分がありました。
香駿や蒼風が存在しなければ、茶の品種についてを伝える事に今以上に苦労したはずです。

翻って考えれば、この品種が登場した事によって品種を楽しむ扉は大きく開かれた事になります。製法由来ではない原料の持つ特徴。そして製法の固定が出来ている蒸し製法による製茶。

香駿の品種登録は2000年。正に21世紀を目前にした登録であり、品種茶を提案する新しい世紀の到来でした。

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香駿(こうしゅん)について。小さな葉の品種茶

私は品種茶の取り扱いが少なくない方でしょう。その中で変わっている品種は何ですかと問われると、やぶきたを除いて真っ先に思いつくのが「香駿(こうしゅん)」。生産家と話しをしていて「在来みたいだなあ。」は私も同感。

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勿論、在来は様々な特色があるのですが、在来を大きく切り戻して栽培することも余り無く、強度も深刈り程度である場合がほとんどでしょう。強い更新をせずに栽培年数が長くなれば、葉は小葉になっていきます。最近になって気がついたのですが、品種によってはこれは一概に悪いとも言えないようです。
製茶は原葉と生産方法のバランスが重要になるので熟度と繊維の強さと水分量が揃っていれば、小さな葉であっても良茶にはなり得るからです。
定植8年目、小さな親葉が笹の葉のように尖がり舟になっている。見た目は確かに在来然としている。同じ生産者のやぶきたとは全く顔が違う。「在来みたい」というのはこの様子からです。

かといって出来上がった製品が細くてちまちましたお茶になるのかと言えばそんなこともなく、(同じ生産者のやぶきたや山峡に比べれば小柄です。)いい形状で出来上がってきます。
これがあの親葉と葉層から出来るのか、お前いつこんなに大きくなった?と驚くほどに。

芯水を煮やすい品種なので、甘酸っぱいような火香をこの品種の香りと勘違いしている人が多い品種ですが、それも特徴のひとつです。

錦園で取り扱っている香駿は

築地香駿¥2100/50g
本山の香駿¥1260/80g(ティーバッグも有り)
大平/山本香駿¥1575/80g
天竜羽ケ生 鈴木香駿¥1050/50g※35kの香駿 おススメ!

この他にもインターネットには未登場の香駿が2アイテムほどあります。

http://www.nishikien.com/002nishikiens-tea/nishikiens-tea.html

夏に楽しむお茶。急須を使って冷茶をいれる。氷に透ける美しい茶葉~築地香駿~

暑くなってきました。夏至を過ぎたかと思えば30度を越える日になっています。冷茶の催事のおかげか水出し煎茶を沢山お求め頂けております。ありがとうございます。

さて、ティーバックを使った冷茶も手軽ですが、急須を使った本格的ないれ方もおススメです。

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5分~10分程度でいれる事が出来ますから、お客様がいらしてからでもOK。急須での冷茶のいれ方を知らない方も多いですから、いれ方についてちょっとした会話をしつつ涼しげな風景も楽しめます。 氷を通して観る良質な茶葉の美しさはいいものです。(画像の茶葉は築地香駿)

いれ方は下記をご参考ください。※同内容のリーフレットを静岡伊勢丹B-1F おいしいふるさと村に配置しています。ご自由にお持ちください。

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6月25日より「香駿」と水出し煎茶を正面スペースにて展開させて頂きます。毎週火曜日夕方5時からの呈茶販売も来週から再開。暑い季節だからこそ楽しめるお茶の世界をご提案いたします。

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日本茶専門店 錦園石部商店
錦園店主 石部健太朗
日本茶インストラクター(02-0362)

2009年の園地まわり。築地さんの園地へ。?

2009年1月19日晴れ。昨日の雨も朝にはあがり、澄んだ空気の朝。
午前10時30分。今回は山へ入らず、クルマで回れる程度にして正午には戻ろうと思いつつ出発。

11時頃、築地さんの園地へ到着。
DSC00455築地香駿
やぶきたとは明らかに異なる園地風景。芽の数が多く、葉は小さめ。成園の香駿らしい茶樹。園主の奥さんが畑にいらしたので挨拶をして少しお話をする。

「昨日の雨はいい雨でしたね。」
「そうだね。今日は暖かくて、土が凍っていないので作業がしやすくてよかった。」
「この前、イノシシが出て畝を切ってしまった。樹が大きくなれば繋がるかもしれないけどね。」
DSC00453築地香駿
「この切れているの、イノシシの仕業なんですか?」
「そうなのよ。困ってしまう。」
この園地は家のすぐそばで、林道工事の車両が時折行き交う場所。園地を回っていると人と野生動物との距離が近いことに気づく事が多い。

 
DSC00465築地香駿
香駿の園を写真に収めてから、少し上にある築地さんのやぶきたの園を見てこようとすると
「去年、山峡を更新したから今年はいい芽が出ると思うよ。」とのこと。

そうだった、今年は築地山峡に切生えがあるんだったと思い出す。

切生え(きりばえ):栽培の年数が経過し樹高が高くなると数年に一度、新茶の摘み取り後に大きく切り下げる作業をします。これを「更新(こうしん)」といい、更新した翌年のお茶を切生え(切った後に生えたお茶の意)と呼びます。生産量が少い、非常に良質な新芽が出来ますが茎が太い事や、摘採面が揃いにくくなることがあるため、製茶に苦労する場合が多く、製品として良質な切り生えのお茶は貴重です。

更新についての過去の記事:更新とは

www.nishikien.com/001nishikien-owner/20060522/owner-060522.html

山峡の園地はちょっとしっかり歩かないと着かないんだよな。
さて、どうしようか?などとと考えつつ移動。


日本茶専門店 錦園石部商店
錦園店主 石部健太朗
日本茶インストラクター(02-0362)

新品種茶 香駿。爽やかな風が吹くようなお茶です。

静岡生まれの新品種茶「香駿(こうしゅん)」は爽やかな香味に特長があり、お客さまからご好評を頂戴しております。ありがとうございます。

中でもトップクラスの香駿「横沢共同謹製 築地香駿(つきじこうしゅん)」を本日より静岡伊勢丹B1Fにて販売を開始させていただきました。
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爽やかな香味は熱いお湯でも、冷茶でもおいしく新時代の静岡茶にふさわしいキャラクターを持ったお茶です。(香駿は品種単品でもおいしいですが、ブレンドの原料としても魅力的。)
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山峡や薮北と比べて小さめな葉を作る品種ですので、製品の形状も少しちいさくなっていますが香味は負けず劣らずに秀逸です。※画像は「築地香駿」。

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静岡伊勢丹B1F おいしいふるさと村にて本格的な日本茶販売中。

築地東頭-つきじとうべっとう-(¥3150/50g)
築地香駿-つきじこうしゅん-(¥2415/50g)
築地山峡-つきじやまかい-(¥2100/50g)
玉川横沢-たまかわよこさわ-(¥1312/50g)

力強い針のような形状をご覧いただけるよう見本もご用意しております。お近くにおいでの際は是非、お立ちよりください。

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錦園店主 石部健太朗
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